在庫管理システムを入れる前に知っておいてほしい
「やってはいけない順番」と「失敗しない進め方」
本講座では、
アピス在庫管理システムでの実際の導入経験をベースに、
中小規模の現場でも無理なく進められる考え方を整理しています。
SKUを考えて、
商品マスターを最低限で作って、
棚番もざっくり決めた。
ここまで来ると、
次に必ず出てくる悩みがこれです。
「入出庫ルールって、
いつ決めるのが正解なんでしょうか?」「システムに入れる前に、
ちゃんと固めないとダメですか?」
ネットを見ると、
- 入出庫フローを先に設計すべき
- 業務ルールを決めてから導入すべき
- 運用が固まっていないと失敗する
といった“正しそうな話”が並びます。
でも、第6回〜第9回までの流れを踏まえると、
こう思いませんか?
「また準備が終わらなくなるやつでは…?」
この回では、
**「いつ決めるべきか」
「どこまで決めるべきか」**を、
不安が残らない形で整理します。
不安の言語化
- 入出庫ルールを先に決めないと
在庫がズレそうで怖い - 決めきれないまま始めて、
後からグチャグチャになるのが不安 - 現場ごとにやり方が違って、
収拾がつかなくなる気がする - ルールを決めるだけで、
何週間もかかりそう - どう決めるのが“正解”か分からない
こうした不安は、
とても自然なものです。
責めない宣言
まず最初に、
はっきり言っておきます。
入出庫ルールが
きれいに決まっていないのは、
あなたのせいではありません。
多くの人が、
「最初に完璧なルールを作ろう」
としてしまうこと自体が、
混乱の原因になっています。
この講座では、
最初から完璧に決めない運用を前提に話します。
今回のゴール
この回のゴールは、
「完璧な入出庫ルールを作る」ことではありません。
- 先に決めなくていいことが分かる
- 最低限決めるべきことが分かる
- ズレにくい考え方を持つ
ここまで腹落ちすれば十分です。
H2-1|そもそも入出庫ルールは何のためにあるのか
まず、
入出庫ルールの役割を
シンプルに整理します。
入出庫ルールは、
在庫をズレさせないための約束事です。
- いつ入庫として記録するか
- いつ出庫として記録するか
- 誰が入力するか
- 例外が起きたときどうするか
この4点が揃っていれば、
ひとまず役割は果たしています。
最初から、
- 承認フロー
- 二重チェック
- 詳細な業務手順書
ここまで担わせる必要はありません。
H2-2|「最初に全部決めるべき」という思い込み
よくある思い込みが、これです。
「入出庫ルールを
最初に固めてからじゃないと
在庫管理は始められない」
一見、正しそうに聞こえます。
でも、実務ではこうなりがちです。
- 現場ごとの事情が違う
- 例外パターンが無限に出てくる
- 将来の運用が読めない
- ルール作りが終わらない
結果、
準備だけが延々と終わらない
という状態に陥ります。
H2-3|後回しにしていいルール
ここで、
ハードルを一度下げてください。
次のものは、
最初から完璧に決めなくて大丈夫です。
① 例外処理のルール
- 誤出庫したとき
- 数が合わなかったとき
- 仮置きしたとき
こうした例外は、
実際に起きてから決めた方が、
現実に合いやすいです。
② 承認フロー
- 上長承認が必要か
- 二重チェックするか
これらは、
運用が回ってから整えても
十分間に合います。
③ 詳細な業務手順
- 画面操作の順番
- 入力の細かいルール
こうしたものは、
後からマニュアル化すればいい
領域です。
H2-4|最初に決めた方がいいルール
一方で、
これだけは最初に
ある程度決めておいた方が安全です。
① 「いつ」を入出庫とするか
- 商品が物理的に入った瞬間か
- 検品が終わった瞬間か
ここが曖昧だと、
同じ入庫でも
人によってズレます。
② 「誰が」入力するか
- 現場担当者か
- 事務側か
ここが決まっていないと、
「誰かが入れてると思ってた」
事故が起きます。
③ 一時保留の扱い
- 仮置き中の商品は
入庫扱いにするのか - まだ入庫しないのか
このルールがないと、
在庫数が日常的にズレます。
H2-5|今の現場運用を壊さない、という考え方
第6回〜第9回と同じ思想が、
ここでも効いてきます。
今の現場運用を
無理に壊さなくていい。
すでに、
- 何となくの入庫手順がある
- 何となくの出庫手順がある
- 現場で暗黙の了解がある
こうした状態なら、
それを一度そのまま使う
という判断は、とても合理的です。
入出庫ルールは、
「理想形を作ること」ではなく、
「ズレないこと」の方が大事です。
考え方/判断軸
ここまでの話を、
一つの判断軸にまとめます。
・最初から全部決めなくていい
・例外や承認は後回し
・でも「いつ」「誰が」「仮置き」だけは決める
・今の現場運用を壊さない
・ズレないことを最優先する
これが、
第10回で一番大事なポイントです。
なぜそう考えるか
在庫管理導入で、
またしても一番多い失敗がこれです。
「ルールが重すぎて回らない」
完璧な入出庫ルールを作ろうとするほど、
- 現場が面倒に感じる
- 入力が後回しになる
- 形骸化する
結果、
在庫はズレ続けます。
だからこそ、
“軽いルールで回す”
という順番が、
一番現実的なのです。
解決しすぎない
この回では、
- 入出庫フロー図
- 操作手順
- 入力画面イメージ
こうした具体論までは、
あえて踏み込みません。
それらは、
「運用フェーズ」で
初めて必要になる話
だからです。
悩ましさの言語化
もしかすると、
ここまで読んでも
こう思っているかもしれません。
「最低限ルールだけで、
本当に大丈夫なの?」「ちゃんと決めないと、
後で収拾つかなくならない?」
その感覚は、正しいです。
だからこそ、
- 最初は軽く
- でも「ズレない軸」だけは決める
このバランスが効いてきます。
ここまで読んだ方へ|在庫管理の「次の一歩」のご案内
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
この講座では、「完璧を目指さない在庫管理」、 「現場を疲弊させない導入」、 「止まらない仕組みづくり」 を一貫してお伝えしてきました。
この講座の考え方は、アピス在庫管理システムの思想そのものです
実はこの講座でお話ししてきた考え方は、すべて 「アピス在庫管理システム」という小規模事業者向けの在庫管理システムを設計する中で生まれたものです。
- SKUや棚番を完璧に決めなくても始められる
- Excelからの段階導入を前提にできる
- 全数棚卸を強制しない(理想の一つとして扱う)
- ルールを重くせず、止まらない運用を優先する
その代わり、「小さな会社が、失敗せずに始められる」ことに本気で振り切っています。
ここまで読んで「うちも何とかしたい」と思った方へ
- 売り込みはしません(合わない場合は「やめた方がいい」とお伝えします)
- 今のやり方(Excel運用など)を否定しません
- 「導入するか迷っている」段階でも大丈夫です
👤 筆者プロフィール|DXジュン(Apice Technology 代表)
「tecn」を運営している DXジュン です。
Apice Technology株式会社の代表として、20年以上にわたり
Web制作・業務改善DX・クラウドシステム開発に携わっています。
普段は企業の現場課題に寄り添いながら、
在庫管理システム/予約システム/求人管理/受発注システム/クラウドソーシング など、
中小企業の仕事を“ラクにするツール”を作っています。
tecn では、業務改善のリアルや、Webシステムの仕組み、 そして「技術が生活をちょっと楽しくしてくれる」ような 日常×デジタルのヒントをゆるく発信しています。
現在の注力テーマは 在庫管理のDX化。 SKU・JAN・棚卸・リアルタイム連携など、 現場で役立つ情報を発信しつつ、 自社のクラウド在庫管理システムも開発・提供しています。
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記事があなたの仕事や生活のヒントになれば嬉しいです。 コメント・ご相談があればお気軽にどうぞ!





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