在庫管理システムを入れる前に知っておいてほしい
「やってはいけない順番」と「失敗しない進め方」
本講座では、
アピス在庫管理システムでの実際の導入経験をベースに、
中小規模の現場でも無理なく進められる考え方を整理しています。
在庫管理システムの導入は、
「システムを入れればすぐ楽になる」というものではありません。
実際に失敗してしまうケースの多くは、
システムの性能や操作性が原因ではなく、進め方の順番に問題があります。
この講座では、
在庫管理システム導入を
準備 → 設定 → 稼働
という3つのフェーズに分けて整理し、
- 今、自分たちはどこにいるのか
- 次に何をすればいいのか
が分かる状態を作ることを目的にします。
操作方法の話はまだしません。
まずは「正しい進め方」を一緒に確認していきましょう。
H2-1|在庫管理システム導入は「3つのフェーズ」で考える
在庫管理システム導入は、
一気に完成させるものではありません。
大きく分けると、次の3つのフェーズがあります。
H3-1|フェーズ① 導入前の準備(考えるフェーズ)
最初のフェーズは、
システムを触る前の準備段階です。
ここで行うのは、
- SKU(在庫の数え方)の整理
- 棚番の考え方の整理
- 運用ルールの最低限の決定
- 現場との目的共有
といった「考える作業」です。
この準備フェーズが、
導入の成否の大半を決めると言っても過言ではありません。
H3-2|フェーズ② 初期設定(仕組みを作るフェーズ)
次に行うのが初期設定です。
- 商品マスターの登録
- SKUの反映
- ロット・使用期限の設定
- 棚番の登録
ここでは、
準備フェーズで考えた内容を
システムに落とし込む作業を行います。
考えが整理されていれば、
この作業はそれほど難しくありません。
H3-3|フェーズ③ 稼働・調整(慣らすフェーズ)
最後が、実際に使い始めるフェーズです。
- 入出庫を回す
- 棚卸や確認作業を行う
- 使いながらルールを微調整する
重要なのは、
いきなりこのフェーズから始めないことです。
準備や設定を飛ばして稼働させると、
あとから必ず混乱が起きます。
H2-2|在庫管理のスタート地点は「在庫を揃えること」
在庫管理システムを使い始める前に、
必ず意識しておきたいことがあります。
それは、
在庫の状態を一度揃えることです。
H3-1|なぜ「在庫の整理」が必要なのか
在庫管理システムは、
登録されたデータを前提に動きます。
もし、
- 在庫数がズレたまま
- 商品の定義が曖昧なまま
スタートしてしまうと、
そのズレを引きずったまま運用することになります。
まずは
「今、どれだけあるのか」
「何を管理するのか」
を把握することが大切です。
H3-2|在庫を揃える方法は1つではない
在庫を揃える方法は、会社ごとに違って構いません。
例えば、
- 全数棚卸から始める方法
- Excelなど既存データを整理して取り込む方法
- 一度データを洗い出し、段階的に棚卸を行う方法
など、複数の選択肢があります。
すでにExcelで管理している場合は、
そのデータを整理してCSVで取り込む形でも問題ありません。
無理のないスタート方法を選ぶことが大切です。
H3-3|最終的には棚卸が「基準点」になる
在庫管理の業務上、
どこかのタイミングで棚卸は必ず行います。
- 最初にやるか
- 運用しながらやるか
の違いはありますが、
棚卸が在庫管理の基準点になることは共通です。
自社の体制に合った進め方を選びましょう。
H2-3|次にやるのは「ロット・使用期限」を正しく紐づけること
在庫を揃えた後に考えたいのが、
ロット管理・使用期限管理です。
H3-1|ロット管理は特別な会社だけの話ではない
ロット管理は、
製造業だけの話ではありません。
例えば、
- 消耗品
- レンタル品
- 使用期限のある商品
を扱っている場合、
ロット管理は日常業務に直結します。
H3-2|ロット管理を後回しにすると起きる問題
ロット管理を後回しにすると、
- 在庫数は合っているのに使えない
- 期限切れリスクが見えない
- 現場判断に頼る運用になる
といった問題が起きやすくなります。
在庫が揃っているからこそ、
ロット・使用期限管理が効果を発揮します。
H2-4|稼働初期は「完璧」を目指さない
システムを使い始めた直後は、
うまくいかないことがあって当たり前です。
H3-1|最初の1か月は慣れる期間
- 入力ミスが出る
- 手順に戸惑う
- 想定外のケースが出る
これは失敗ではありません。
慣れるための期間です。
H3-2|見るべきは数字より「流れ」
最初から
「在庫が完全に合っているか」
を見る必要はありません。
- 入出庫が回っているか
- 作業が止まっていないか
といった流れを見ることが重要です。
H2-5|この順番で進めれば、在庫管理は必ず定着する
在庫管理システム導入で大切なのは、
特別なノウハウではありません。
- 考えてから入れる
- 揃えてから動かす
- 動かしながら整える
この順番を守るだけです。
在庫管理システムは、
特別な会社だけが使えるものではありません。
正しい段取りで進めれば、
誰でも定着させることができます。
まとめ
在庫管理システム導入は、
システム選びよりも進め方が重要です。
- 準備 → 設定 → 稼働
- 始め方は選べる
- ただし考え方は共通
この流れを意識することで、
導入の失敗は大きく減らせます。
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ここまで読んだ方へ|在庫管理の「次の一歩」のご案内
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
この講座では、「完璧を目指さない在庫管理」、 「現場を疲弊させない導入」、 「止まらない仕組みづくり」 を一貫してお伝えしてきました。
この講座の考え方は、アピス在庫管理システムの思想そのものです
実はこの講座でお話ししてきた考え方は、すべて 「アピス在庫管理システム」という小規模事業者向けの在庫管理システムを設計する中で生まれたものです。
- SKUや棚番を完璧に決めなくても始められる
- Excelからの段階導入を前提にできる
- 全数棚卸を強制しない(理想の一つとして扱う)
- ルールを重くせず、止まらない運用を優先する
その代わり、「小さな会社が、失敗せずに始められる」ことに本気で振り切っています。
ここまで読んで「うちも何とかしたい」と思った方へ
- 売り込みはしません(合わない場合は「やめた方がいい」とお伝えします)
- 今のやり方(Excel運用など)を否定しません
- 「導入するか迷っている」段階でも大丈夫です
👤 筆者プロフィール|DXジュン(Apice Technology 代表)
「tecn」を運営している DXジュン です。
Apice Technology株式会社の代表として、20年以上にわたり
Web制作・業務改善DX・クラウドシステム開発に携わっています。
普段は企業の現場課題に寄り添いながら、
在庫管理システム/予約システム/求人管理/受発注システム/クラウドソーシング など、
中小企業の仕事を“ラクにするツール”を作っています。
tecn では、業務改善のリアルや、Webシステムの仕組み、 そして「技術が生活をちょっと楽しくしてくれる」ような 日常×デジタルのヒントをゆるく発信しています。
現在の注力テーマは 在庫管理のDX化。 SKU・JAN・棚卸・リアルタイム連携など、 現場で役立つ情報を発信しつつ、 自社のクラウド在庫管理システムも開発・提供しています。
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