在庫管理システムを入れる前に知っておいてほしい
「やってはいけない順番」と「失敗しない進め方」
本講座では、
アピス在庫管理システムでの実際の導入経験をベースに、
中小規模の現場でも無理なく進められる考え方を整理しています。
在庫管理システムを導入したものの、
「現場に定着しなかった」「思ったように使われなかった」
そんな声は、実は珍しくありません。
ただし、こうした失敗の多くは
システムそのものが悪かったわけではない ケースがほとんどです。
うまくいかなかった理由をたどっていくと、
共通して見えてくるのが
導入前の“共有不足” です。
この回では、
在庫管理システム導入前に
現場と何を共有しておくべきなのか、
そしてなぜ 合意形成が9割を決めるのか を整理していきます。
※誰かを責める話ではありません。
「失敗を避けるための準備」の話です。
H2-1|システムは「人の問題」を解決してくれない
在庫管理システムは、とても便利な道具です。
入力・集計・検索・棚卸――
これまで手作業だったことを、大きく楽にしてくれます。
ただし、ひとつだけ
システムが解決できないもの があります。
それが「人の問題」です。
- なぜ導入するのか分からない
- 自分の仕事がどう変わるのか見えない
- 増えるのか、楽になるのか判断できない
こうした不安や疑問は、
どんなに優れたシステムでも自動では消えません。
だからこそ、
システムを入れる前に、人の部分を整える必要がある のです。
H2-2|現場が拒否反応を示すときに起きていること
「現場が反発するから導入が進まない」
そう感じている方も多いかもしれません。
ですが、実際には
現場が“拒否”しているケースは少数派 です。
多くの場合、起きているのは次のような状態です。
- 何のための導入なのか分からない
- 何がどう変わるのか想像できない
- 自分の仕事が評価されなくなる気がする
つまり、
反対ではなく“不安” なのです。
現場はサボりたいわけでも、
変化を嫌っているわけでもありません。
分からないまま進むことが怖いだけ。
この前提を理解しているかどうかで、
導入の進み方は大きく変わります。
H2-3|導入前に必ず共有すべき3つのこと
在庫管理システム導入前に、
最低限共有しておきたいことがあります。
それは、難しい説明ではありません。
① なぜ導入するのか
「会社として必要だから」だけでは不十分です。
- 在庫が合わず困っている
- 棚卸が負担になっている
- 誰かにしか分からない状態を減らしたい
現場にとっての理由 を、言葉にして共有することが大切です。
② 何が変わって、何が変わらないのか
導入前に不安が膨らむ原因は、
「全部変わるのでは?」という想像です。
- 変わること
- 変えないこと
- すぐには変えないこと
この線引きを先に示すだけで、
現場の安心感は大きく変わります。
③ 最初から完璧を求めないこと
在庫管理は、
使いながら整えていくもの です。
最初から完璧なルールや運用を目指すと、
逆に動かなくなります。
アピス在庫管理システムでも、
最初は最低限の管理から始め、
棚卸や日々の運用結果を見ながら
少しずつ調整していく考え方をベースにしています。
H2-4|合意形成ができている導入は、途中で止まらない
ここで言う合意形成とは、
「全員が賛成すること」ではありません。
- 方向性が共有されている
- 途中で修正していいと分かっている
- 意見を出していい空気がある
この状態が作れていれば、
導入は途中で止まりにくくなります。
操作教育やルール調整も、
「やらされ仕事」ではなく
「一緒に作る作業」に変わっていきます。
H2-5|導入を「やらされ仕事」にしないために
現場を巻き込むというと、
すべてを現場任せにすることだと
誤解されがちです。
そうではありません。
- 判断軸は管理側が示す
- 現場の声は運用に反映する
- 小さな成功体験を積み重ねる
このバランスが重要です。
在庫管理システムは、
導入した瞬間に完成するものではなく、
現場と一緒に育てていく仕組み です。
その前提を共有できていれば、
導入は決して怖いものではなくなります。
まとめ
在庫管理システム導入の成否は、
機能選びよりも、導入前の合意形成でほぼ決まります。
操作説明の前に、
- なぜやるのか
- 何が変わるのか
- 完璧を求めないこと
この3点を共有しておくだけで、
導入後の景色は大きく変わります。
次回は、
いよいよ導入時の具体的な進め方 に踏み込みます。
「何から始め、どこまでやればいいのか」を
順番で整理していきましょう。
あわせて読みたい関連記事(現場との共有を深めるために)
在庫管理システム導入をスムーズに進めるためには、
「ツール選び」よりも 人と情報の共有 が重要になります。
今回の講座内容を、より具体的にイメージするために、
以下の記事も参考にしてみてください。
在庫管理マニュアルの作り方|新人でもミスを防げる現場ルールとテンプレート
👉 現場と何を、どう共有すればよいのかを整理した実務向け解説
https://tecn.apice-tec.co.jp/inventory-manual-template-guide/

- 属人化した在庫管理が招く5つのリスクと解決法
👉 「人に頼る運用」から「仕組みで回す管理」へ移行する考え方
https://tecn.apice-tec.co.jp/inventory-dependence-risk-solution/

- 在庫管理システム導入の失敗例5選|中小企業がやりがちな選定ミス
👉 導入がうまくいかない原因を、現場視点で具体的に解説
https://tecn.apice-tec.co.jp/inventory-system-fails5exmpl51116/
ここまで読んだ方へ|在庫管理の「次の一歩」のご案内
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
この講座では、「完璧を目指さない在庫管理」、 「現場を疲弊させない導入」、 「止まらない仕組みづくり」 を一貫してお伝えしてきました。
この講座の考え方は、アピス在庫管理システムの思想そのものです
実はこの講座でお話ししてきた考え方は、すべて 「アピス在庫管理システム」という小規模事業者向けの在庫管理システムを設計する中で生まれたものです。
- SKUや棚番を完璧に決めなくても始められる
- Excelからの段階導入を前提にできる
- 全数棚卸を強制しない(理想の一つとして扱う)
- ルールを重くせず、止まらない運用を優先する
その代わり、「小さな会社が、失敗せずに始められる」ことに本気で振り切っています。
ここまで読んで「うちも何とかしたい」と思った方へ
- 売り込みはしません(合わない場合は「やめた方がいい」とお伝えします)
- 今のやり方(Excel運用など)を否定しません
- 「導入するか迷っている」段階でも大丈夫です
👤 筆者プロフィール|DXジュン(Apice Technology 代表)
「tecn」を運営している DXジュン です。
Apice Technology株式会社の代表として、20年以上にわたり
Web制作・業務改善DX・クラウドシステム開発に携わっています。
普段は企業の現場課題に寄り添いながら、
在庫管理システム/予約システム/求人管理/受発注システム/クラウドソーシング など、
中小企業の仕事を“ラクにするツール”を作っています。
tecn では、業務改善のリアルや、Webシステムの仕組み、 そして「技術が生活をちょっと楽しくしてくれる」ような 日常×デジタルのヒントをゆるく発信しています。
現在の注力テーマは 在庫管理のDX化。 SKU・JAN・棚卸・リアルタイム連携など、 現場で役立つ情報を発信しつつ、 自社のクラウド在庫管理システムも開発・提供しています。
🔗 Apice Technology(会社HP)
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🔗 在庫管理システムの機能紹介
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