― 導入前・導入時・運用フェーズでやるべきことを整理する導入講座① ―
はじめに|在庫管理システムは「入れたら終わり」ではない
在庫管理システムの導入を検討している方の多くが、
次のような不安を抱えています。
- システムを入れれば在庫は正確になるのか?
- Excel管理から移行して失敗しないだろうか?
- 現場が使ってくれるか不安
- 高いお金をかけて、結局使われなくならないか
実は、在庫管理システムの成否は
**システムそのものより「導入の順番」と「考え方」**でほぼ決まります。
本記事では、
在庫管理システムを 失敗させないための全体像 を
「導入前」「導入時」「運用フェーズ」の3段階に分けて整理します。
これは、これから続く 導入講座シリーズ全体の地図 となる記事です。
在庫管理システム導入は「3つのフェーズ」で考える
多くの失敗は、
この3つをごちゃ混ぜにしてしまうことから起きます。
- 導入前にやるべきこと
- システム導入時にやるべきこと
- 運用に入ってからやるべきこと
順番に見ていきましょう。
フェーズ①|導入前にやるべきこと(ここが8割)
最も重要なのは、システムを入れる前です。
この段階でやるべきことは、大きく3つしかありません。
1. SKU(管理単位)を整理する
- 何を1つの商品として管理するのか
- 色・サイズ・仕様違いをどう扱うのか
- JANコードとSKUを混同しない
ここが曖昧なまま導入すると、
ロット管理・使用期限管理・棚卸がすべて破綻します。
2. 棚番を「順番」で設計する
棚番は「番号」ではなく 作業動線 です。
- 人が歩く順に棚番が並んでいるか
- 棚卸が上から下・前から奥へ流れるか
- 空き番を適当に追加していないか
棚番の設計ひとつで、
全量棚卸の効率は驚くほど変わります。
3. 運用ルールを最小限で決める
- 誰が入力するのか
- いつ入力するのか
- 例外時はどうするのか
最初から完璧を目指さないことが最大のコツです。
フェーズ②|システム導入時にやるべきこと
次にようやく、システムの話になります。
ここで重要なのは
「機能を全部使うこと」ではありません。
システム導入時の基本姿勢
- まずは最低限の設定から始める
- 現場が“迷わず使える”状態を優先する
- 棚卸・ロット・使用期限は段階的に広げる
特に、
全量棚卸(ブラインド/明示) や
使用期限をロット管理として扱う機能 は、
導入前設計ができてこそ真価を発揮します。
フェーズ③|運用に入ってからやるべきこと
在庫管理システムは
導入してからが本番です。
ここでやるべきことは:
- 定期的な棚卸でズレを把握する
- 数値を「責める」のでなく「改善」に使う
- 運用が合わなければ設計を見直す
うまくいっている会社ほど、
「最初の設計を見直すタイミング」をきちんと持っています。
よくある失敗パターン
この講座で何度も触れていきますが、
特に多い失敗は次の3つです。
- システムに合わせて現場を変えようとする
- 最初から複雑な管理をしようとする
- 「入力しない現場」を叱ってしまう
在庫管理は 仕組みの問題 であり、
人の問題ではありません。
この導入講座シリーズで扱うこと
今後の導入講座では、次のようなテーマを
1つずつ・具体的に解説していきます。
- 導入前のSKU設計・棚番設計
- 全量棚卸を効率よく回す考え方
- ロット・使用期限管理をシンプルに行う方法
- 現場が定着する運用ルール
- 途中で設計を見直す判断基準
「読めば全部わかる」ではなく、
必要な回だけ拾っても役立つ構成にしていきます。
まとめ|在庫管理システム導入は「設定」ではなく「設計」
在庫管理システムは魔法の道具ではありません。
しかし、
- 導入前に整理し
- 順番を守って入れ
- 運用しながら育てる
この3点を押さえれば、
在庫管理は確実にラクになります。
次回は、
👉 「導入前に必ず整理すべき3つのこと(SKU・棚番・運用)」
をより具体的に解説します。
「自社の場合、どう整理すればいいのか分からない」
そんなときは、考え方を知るだけでも大きな一歩です。
👤 筆者プロフィール|DXジュン(Apice Technology 代表)
「tecn」を運営している DXジュン です。
Apice Technology株式会社の代表として、20年以上にわたり
Web制作・業務改善DX・クラウドシステム開発に携わっています。
普段は企業の現場課題に寄り添いながら、
在庫管理システム/予約システム/求人管理/受発注システム/クラウドソーシング など、
中小企業の仕事を“ラクにするツール”を作っています。
tecn では、業務改善のリアルや、Webシステムの仕組み、 そして「技術が生活をちょっと楽しくしてくれる」ような 日常×デジタルのヒントをゆるく発信しています。
現在の注力テーマは 在庫管理のDX化。 SKU・JAN・棚卸・リアルタイム連携など、 現場で役立つ情報を発信しつつ、 自社のクラウド在庫管理システムも開発・提供しています。
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