倉庫ロケーション 管理エクセルが限界な理由とは?属人化・探せない・在庫ズレが起きる構造
H2-1|なぜ「ロケーション × エクセル」は限界を迎えるのか?
👉倉庫ロケーション 管理エクセルで在庫が合わない原因とは?
小規模倉庫でよくある失敗パターン
序文|なぜ「ロケーション管理 × エクセル」は在庫ズレを起こすのか
小規模倉庫や社内倉庫では、
「倉庫ロケーション管理をエクセルでやっている」
というケースが非常に多く見られます。
実際、導入コストもかからず、
とりあえず形にはなるため、
最初の一歩としては悪くありません。
しかし現場では、
- 在庫数が合わない
- 商品を探すのに時間がかかる
- 棚にあるはずの商品が見つからない
- 誤出荷が起きる
といったトラブルが、
ほぼ確実に発生していきます。
この記事では、
なぜエクセルでロケーション管理をすると
在庫が合わなくなるのか?
その構造的な原因を、
小規模倉庫の実情に即して整理します。
H2-1|なぜ「ロケーション × エクセル」は限界を迎えるのか?
多くの小規模倉庫では、
最初はエクセルによるロケーション管理で、特に問題なく回っています。
・棚番を列にして
・商品名やSKUを行にして
・入出庫のたびに場所を更新する
この運用は、立ち上げ初期の規模であれば、実際かなりうまく機能します。
「うちはまだ大丈夫」
「このやり方で十分回っている」
そう思っている現場がほとんどです。
そしてこの感覚自体は、まったく間違っていません。
最初はちゃんと回っていた
ロケーション × エクセル運用がうまく回る典型的な条件は、だいたい次のような状態です。
・SKU数が少ない
・入出庫の頻度が低い
・ロケーション変更がほぼ発生しない
・作業者が固定されている
この条件がそろっているうちは、
エクセルでも十分に管理できます。
むしろこのフェーズでは、
システムを入れるほうが過剰です。
ここで大事なのは、
「最初は回っていた」という事実です。
これは、
後から起きるトラブルが
“現場のミス”ではないことを説明するための、
とても重要な前提になります。
あるラインを超えた瞬間に、一気に破綻する
ところが、事業が少しずつ成長していくと、
必ず次の変化が起き始めます。
・SKUが増える
・入出庫頻度が上がる
・ロケーション変更が日常化する
・作業者が増える/入れ替わる
このどれか一つだけでも、
エクセル運用はかなり苦しくなります。
そして複数が同時に起きた瞬間、
ある日を境に、
一気に在庫が合わなくなり始めます。
「昨日まで普通に回っていたのに」
「なんで急にズレ始めたのか分からない」
多くの現場が、
このタイミングで初めて違和感を持ちます。
これは“ミス”ではなく“構造”の問題
この段階になると、
現場ではだいたい次のような空気になります。
・入力ミスが多い
・更新が遅い
・誰かがサボっている
・ルールを守っていない
そして、
誰が悪いのか、という犯人探しが始まります。
でも、ここが一番大事なポイントです。
この問題は、
誰かのミスや怠慢で起きているわけではありません。
そもそも、
エクセルというツールと、
ロケーション管理という業務の性質が、
このフェーズではもう噛み合っていないのです。
・リアルタイム性がない
・同時編集に弱い
・履歴管理が弱い
・変更差分が追えない
こうしたエクセルの構造的な制約の上に、
・頻繁な入出庫
・頻繁なロケーション変更
・複数人作業
という運用を無理やり載せている。
だから壊れるのは、
むしろ自然です。
「限界を迎えた」の正体
多くの現場が、
この状態になってから初めて、
こう感じ始めます。
「うちのエクセル、もう限界じゃないか…」
でも正確に言うと、
エクセルが突然ダメになったわけではありません。
最初から、
ある規模・ある運用ラインを超えたら
破綻する構造だった。
ただ、それまでは
たまたま条件が合っていただけです。
ここで一度、前提をはっきりさせておく
ここまでで、
一番伝えたいことはシンプルです。
・在庫が合わなくなったのは
・現場がダメだからでも
・担当者が雑だからでもなく
エクセル運用の構造的な限界点を
超えただけ、ということです。
この前提をここで一度、
はっきりさせておくことが重要です。
このあと見ていく
「よくある失敗パターン」は、
すべてこの構造の延長線上で起きています。
H2-2|エクセル運用が破綻し始める3つのサイン
ここでは、
「もうエクセルでのロケーション管理は限界ゾーンに入っているか?」
をセルフチェック形式で整理します。
どれか1つ当てはまったからといって、
すぐに“アウト”というわけではありません。
ただし――
2つ以上当てはまる場合は、すでに運用が崩れ始めています。
しかもこれらは、
特別なトラブルが起きた倉庫だけの話ではありません。
ロケーション管理をエクセルでやっている小規模倉庫では、
ほぼ例外なく、ある日から静かに進行し始める症状です。
H3-1|探す時間が増えてきた
まず一番わかりやすいサインがこれです。
- ピッキングに前より時間がかかるようになった
- 「あれ、どこだっけ?」が日常的に出るようになった
- ロケーションを見ても、結局現物を探しに行く
- 人によって探すスピードの差が大きくなってきた
この状態、
多くの現場ではこう解釈されます。
・物量が増えたから仕方ない
・最近ちょっと忙しいだけ
でも実際には、
ここが最初の崩れポイントです。
ロケーション管理がきちんと機能していれば、
物量が増えても、人が入れ替わっても、
「探す時間」そのものは大きくは増えません。
探す時間が増えているということは、
すでにこの時点で、
ロケーション情報が
現場の判断材料として
使われなくなり始めている
というサインです。
H3-2|ロケーションが信用できない
次に来るのが、
ロケーション情報そのものを信じなくなるフェーズです。
- エクセルに書いてある棚番に行っても、物がない
- 「どうせ違うだろう」と思って最初から別の棚を見る
- ロケーションを確認するより、現場感覚を優先する
この状態に入ると、
ロケーション管理は名目上の存在になります。
つまり――
ロケーションは「あることになっている」だけで、
実際の業務判断には
ほとんど使われていない。
このフェーズに入っている場合、
どれだけ更新ルールを厳しくしても、
実態はほとんど改善しません。
なぜなら、
すでに現場がロケーション情報を
信用していないからです。
H3-3|在庫数に自信がなくなった
3つ目のサインがこれです。
- エクセルの在庫数を見ても安心できない
- 発注のたびに「足りないかも…」と不安になる
- 念のため多めに仕入れる癖がついてきた
この状態、
かなり危険ゾーンに入っています。
なぜなら、
在庫管理の本来の役割
(正確な把握・判断材料の提供)
が、
すでに機能しなくなっているからです。
この段階に入ると、
在庫管理は“管理”ではなく、
勘と保険の世界になります。
2つ以上当てはまったら「限界ゾーン」に入っています
ここまでの3つのサイン。
- 探す時間が増えてきた
- ロケーションが信用できない
- 在庫数に自信がなくなった
もし――
2つ以上当てはまるなら、
それはもう、
エクセル運用が
“たまたま回っている”状態を超えて、
破綻し始めている状態
に入っています。
重要なのは、
これは誰かのミスでも、
サボりでも、
能力不足でもない、という点です。
単純に、
ロケーション管理という業務の性質と、
エクセルというツールの構造が、
もう噛み合わなくなっているだけ。
です。
H2-3|なぜエクセルのロケーション管理は必ず属人化するのか?
エクセルでロケーション管理を続けている現場は、
ほぼ例外なく、ある段階で「属人化」の壁にぶつかります。
しかもこれは、
担当者の能力が低いから
ルールを守らないから
教育が足りないから
といった話ではありません。
エクセルという仕組みそのものが、属人化を生み出す構造になっている
というのが本質です。
H3-1|ファイル構造が「本人仕様」になっていく
ロケーション管理のエクセルは、最初はシンプルです。
商品名
棚番
在庫数
この程度の項目から始まります。
ところが、運用が進むにつれて、少しずつ列が増えていきます。
仮置き場所
例外ロケーション
一時保管フラグ
入庫日メモ
注意事項コメント
こうして、その時々の都合で列やルールが足されていきます。
結果どうなるか。
そのファイル構造は、
**作った本人の頭の中と完全に連動した「本人専用仕様」**になります。
この列はこういう意味
この場合だけここを見る
この行は例外扱い
こうした暗黙ルールは、
ほぼ100%ドキュメント化されません。
つまり、
**そのエクセルは「読める人が1人しかいない状態」**になります。
H3-2|例外処理が増えすぎてルール化できなくなる
ロケーション管理が崩れ始める最大の原因は、
例外処理の増殖です。
現場では、必ずこういうことが起きます。
棚に入りきらない
一時的に別の場所に置いた
すぐ出庫するから仮置きした
セット商品をまとめて別保管した
このたびに、
「あとで直せばいいや」
「今回はメモだけ残そう」
という運用が積み重なっていきます。
その結果、
正規ロケーション
仮ロケーション
例外ロケーション
が無限に増えていきます。
しかも、それらをどう扱うかのルールは、
すべて人の頭の中にしか存在しません。
エクセルは、
この商品は今どこにあるのか
どれが正規の棚番なのか
この数量は信用していいのか
という判断を一切してくれません。
だから最終的に、
「これは○○さんに聞かないと分からない」
という状態になります。
H3-3|引き継ぎ不能になるのは必然
この状態で、担当者が休む・異動する・辞めると、
何が起きるか。
ほぼ確実にこうなります。
ロケーションが分からない
この列の意味が分からない
どこまでが最新データか分からない
例外処理の扱いが分からない
引き継ぎ資料を作っても、意味がありません。
なぜなら、
ルールが多すぎる
例外が多すぎる
判断基準が文章化されていない
からです。
結果、新しい担当者はこう判断します。
「このエクセル、信用できないから
とりあえず現物を見よう」
そして、
現場で探す
目視で数える
自分なりのメモを作る
という“第二の属人化”が始まります。
なぜこれは避けられないのか?
ここまでの話は、
どこの小規模倉庫でもほぼ同じように起きています。
これは運用が悪いのではありません。
エクセルが、ロケーション管理という用途に
そもそも向いていないのです。
構造が自由すぎる
ルールを強制できない
履歴と整合性を担保できない
例外を吸収する仕組みがない
この条件で運用すれば、
属人化しない方がむしろ不自然です。
H2-4|「探せない」「ズレる」が同時に起きる本当の理由
ロケーション管理をエクセルでやっている現場では、
ほぼ必ず次の2つが同時に起きます。
- 商品が「探せない」
- 在庫数が「ズレる」
そして多くの現場では、
この2つを別々の問題として扱っています。
- 探せないのは、入力が雑だから
- ズレるのは、数え間違いだから
でも実際は違います。
この2つは、まったく同じ構造的な原因から同時に発生しています。
更新がリアルタイムで反映されない
まず一番大きいのが、
ロケーション情報の更新がリアルタイムで反映されないという問題です。
現場では、こんな運用が普通に起きています。
- 入庫した
- とりあえず空いている棚に置いた
- 忙しいからエクセル更新はあとでやる
この「あとでやる」が、そのまま忘れられます。
するとどうなるか。
エクセル上では、
- 商品A:棚B-3 にある
- 在庫数:10個
となっているのに、
実際にはすでに別の棚に移動している、という状態が生まれます。
この時点で、
- エクセルを見ても探せない
- 現物を見ても在庫数が合わない
という2つの問題が同時に発生します。
入出庫と棚番が分離している
次に大きいのが、
入出庫管理とロケーション管理が別ファイル・別シートになっている構造です。
よくあるのがこの形です。
- ファイル①:入出庫履歴
- ファイル②:在庫一覧
- ファイル③:棚番一覧
それぞれを人の手で更新しています。
この構造の何が致命的かというと、
入庫・出庫した瞬間に
ロケーションが自動で変わらない
という点です。
つまり現場では、
- 入庫処理だけして終わり
- 棚番更新を忘れる
- 出庫処理だけして終わり
- 在庫一覧を直していない
といったズレが、
日常的に積み上がっていきます。
この時点で、
- 棚番:古い
- 在庫数:新しい
- 入出庫履歴:部分的に正しい
という「どれも半分ずつ間違っている状態」になります。
当然、
- 探しても出てこない
- 数えても合わない
という状況になります。
二重管理・転記構造そのものがズレを生む
そしてトドメが、
二重管理・転記前提の構造です。
多くの現場では、こうなっています。
- 現場で紙にメモ
- あとでエクセルに転記
- 別シートにも転記
- 集計用ファイルにも転記
この時点で、
ズレない方がむしろ不自然です。
しかも、ズレたとしても、
- どこでズレたのか
- いつズレたのか
- どのデータが正なのか
が一切分かりません。
結果どうなるか。
「とりあえず現物が正しいことにしよう」
「エクセルは参考程度でいいや」
という運用に落ち着きます。
そしてこの瞬間、
- エクセルを見ても探せない
- エクセルを見ても数が合わない
という状態が、
完全に固定化します。
まとめると:これはミスではなく構造の問題
ここまでの話をまとめると、
「探せない」と「ズレる」は、
まったく別の問題ではありません。
どちらも、
- リアルタイムに反映されない
- 入出庫と棚番が分離している
- 二重管理・転記が前提になっている
という同じ構造から生まれています。
つまりこれは、
- 担当者のミス
- 運用ルールの甘さ
- 注意力の問題
ではありません。
エクセルでロケーション管理をやる限り、
構造的に避けられない問題です。
H2-5|まだエクセルで耐えられるケース/もう限界なケース
ここまで読んで、
- 「うちもズレてるけど、何とか回ってはいる」
- 「正直しんどいけど、まだ我慢できなくもない」
そう感じている方も多いと思います。
実は、
すべての現場が今すぐエクセルをやめるべき
という話ではありません。
エクセルでも、
まだ“耐えられるライン”の現場は確実に存在します。
ここでは、
感覚論ではなく、
判断軸をできるだけ構造で切り分けます。
判断軸①|SKU数がどこまで増えているか
まず一番わかりやすいのが SKU 数です。
まだ耐えられるケース
- SKUが50〜100以下
- 商品構成がほぼ固定
- 廃番・入れ替えがほとんどない
この条件なら、
- 棚番を覚えられる
- エクセルの行数も把握できる
- 全体を頭の中で補正できる
という状態がギリギリ成立します。
もう限界なケース
- SKUが200〜300を超えてきた
- 類似商品・型番違いが増えている
- 仕入先・ロット・仕様違いが混在している
この状態になると、
- どこに何があるか覚えきれない
- エクセルのどこを見ればいいか分からない
- 棚番の記載ミスに気づけない
というラインを超えます。
ここを超えると、
エクセル運用は一気に崩れます。
判断軸②|担当する人が固定されているか
次に重要なのが「人」です。
まだ耐えられるケース
- ロケーション管理の担当が1人
- 長く同じ人が見ている
- 例外ルールを本人が全部把握している
この条件なら、
- 属人化していても
- 表面上は回ります。
正直に言うと、
多くの現場はここで踏みとどまっています。
もう限界なケース
- 担当が2人以上いる
- シフト制・交代制になっている
- 新人が入ってくる
- 引き継ぎが発生している
この状態になると、
- 例外ルールが共有されない
- 棚番の意味が人によって違う
- 更新の粒度がバラつく
結果として、
「この棚番、誰が決めたんだっけ?」
「このSKU、前はどこにあった?」
という混乱が日常化します。
ここに入った時点で、
エクセル運用は構造的に破綻ゾーンです。
判断軸③|入出庫量がどれくらいあるか
次は物量です。
まだ耐えられるケース
- 1日の入出庫が数件〜十数件
- 出荷が集中しない
- 突発対応がほぼない
この条件なら、
- 更新を後回しにしても追いつく
- 夜にまとめて直せる
という運用が成立します。
もう限界なケース
- 1日50件以上の入出庫
- 繁忙期に100件を超える
- 急ぎ出荷・割り込み対応が多い
この状態になると、
- 更新が必ず遅れる
- 棚番更新が後回しになる
- ズレが常態化する
つまり、
構造的にリアルタイム反映が不可能になります。
判断軸④|「探す時間」が増えてきているか
これはかなり重要なサインです。
まだ耐えられるケース
- 探しても1〜2分で見つかる
- 大体の棚に当たりがついている
- 最悪、記憶で補正できる
この状態なら、
まだ耐えています。
もう限界なケース
- 5分以上探すことが増えた
- 棚を2〜3往復する
- 結局、人に聞かないと分からない
これはもう、
「ロケーション管理として機能していない」
状態です。
このサインが出ていたら、
ほぼ確実に次は在庫ズレが悪化します。
判断軸⑤|在庫ズレの頻度
最後が一番分かりやすい指標です。
まだ耐えられるケース
- ズレは月1回以下
- 棚卸すればすぐ原因が分かる
- 同じミスが再発していない
この状態なら、
ギリギリ運用で持ちこたえています。
もう限界なケース
- ズレが週1以上起きる
- 棚卸しても原因が特定できない
- 同じズレが何度も起きている
このラインに入っている場合、
**もう「ミス」ではなく「構造問題」**です。
ここまで来ると、
ルール強化・注意喚起では止まりません。
まとめ:2つ以上当てはまったら「限界ゾーン」
ここまでの判断軸をまとめると、
次のどれか2つ以上に当てはまっていたら、
かなり危険ラインです。
- SKUが200以上
- 担当者が固定されていない
- 入出庫が多く、更新が追いつかない
- 探す時間が増えている
- 在庫ズレが月1以上起きている
この状態でエクセルを続けると、
- 属人化が深まる
- ズレが加速する
- 現場のストレスが増える
という方向にしか進みません。
H2-6|単発対処ではなく「仕組み」の問題だという話
ここまで読んで、
- 入力ルールを厳しくすればいい
- ダブルチェックを入れればいい
- ミスした人に注意すればいい
そう考えている方も多いと思います。
でも、結論から言うと、
それではこの問題は止まりません。
なぜなら、
今起きているのは「運用ミス」ではなく、
構造の限界だからです。
ルール強化では解決しない
エクセル運用が崩れ始めた現場で、
ほぼ必ず最初にやるのがこれです。
- 入出庫したら必ず更新する
- 棚移動したら必ず書き換える
- 更新漏れは報告する
- ダブルチェックを入れる
つまり、
ルールと注意喚起を増やす方向に進みます。
一時的には、
たしかに少し良くなります。
でも、
数週間〜数か月すると、
ほぼ確実に元に戻ります。
理由はシンプルです。
- 忙しいと更新は後回しになる
- 急ぎ出荷が入るとルールは飛ぶ
- 人は必ず抜け漏れを起こす
つまり、
「人が完璧に守り続ける前提の運用」
自体が、そもそも無理なのです。
人依存構造はどこかで必ず壊れる
エクセル運用が回っている現場ほど、
実は中身はこうなっています。
- 1人のベテランが全部把握している
- その人の記憶と勘で補正している
- ズレてもその人が帳尻を合わせている
つまり、
仕組みではなく「人」で回っている状態
です。
この状態は、
短期的にはうまくいきます。
でも、
次のどれかが起きた瞬間に崩れます。
- その人が休む
- その人が辞める
- その人が別業務に回される
- 業務量が増える
この瞬間、
- ロケーションが信用できない
- 在庫数が合わない
- 誰も原因が分からない
という状態になります。
つまり、
「うまく回っていた」のではなく
「たまたま崩れていなかっただけ」
なのです。
これは「努力不足」ではなく「設計ミス」
ここで一番大事なことがあります。
この問題は、
- 現場の努力不足
- 担当者の意識不足
- ミスの多さ
が原因ではありません。
原因はただ一つです。
ロケーション管理という性質の業務を
エクセルでやろうとしていること自体が無理
だからです。
ロケーション管理は本来、
- 入出庫と同時に更新される
- 棚番と在庫が一体で動く
- 履歴が残る
- 誰が見ても同じ状態が見える
という前提で、
初めて安定します。
この前提を満たしていない以上、
どれだけルールを足しても、
どれだけ人を叱っても、
根本解決にはなりません。
まとめ:直すべきは「人」ではなく「構造」
ここまでの話を一言でまとめると、
こうなります。
- ミスが多いからズレるのではない
- ズレる構造だからミスが表に出る
つまり、
問題は運用ではなく、仕組みの設計
です。
このラインに来ている場合、
「もう少し頑張れば何とかなる」
という話ではありません。
H2-7|ロケーション管理を仕組みで考えたい人へ
ここまで読んで、
- もうエクセルは限界だと思う
- ロケーションだけ直してもダメな気がする
- また別のところで同じ問題が起きそう
そう感じているなら、
その感覚はかなり正しいです。
ロケーションは「在庫管理全体」の一部にすぎない
一番大事なことを先に言います。
ロケーション管理は、
在庫管理という仕組みの中の
ほんの一部分にすぎません。
現場でよくあるのが、
- 棚番ルールだけ直そうとする
- ロケーション表だけ作り直す
- エクセルの構成だけ変える
という「部分修正」です。
でもこれをやっても、
多くの場合、数か月後にこうなります。
- ロケーションは多少マシになった
- でも在庫数が合わなくなった
- 入出庫履歴が信用できなくなった
- 結局また現物頼りに戻った
なぜか。
ロケーションだけを切り出しても、
入出庫・在庫数・履歴・運用ルールと
全部つながっているからです。
単発で直すと、別の場所でまた破綻する
ロケーション管理が破綻している現場は、
ほぼ例外なく次のどれかも壊れています。
- 入出庫履歴が正確に残っていない
- 在庫一覧と現物がズレている
- SKUや商品コードが整理されていない
- 棚卸が地獄になっている
つまり、
見えている問題が
たまたま「ロケーション」なだけ
という状態です。
ここでロケーションだけ直すと、
次は別の場所が詰まります。
- 次は在庫数が合わなくなる
- 次は入出庫が追えなくなる
- 次は棚卸が回らなくなる
このループに入ると、
現場はずっと疲弊し続けます。
仕組みで考え直さないと、また同じことが起きる
もし今、
- ロケーションだけじゃなく
在庫管理全体が怪しい気がしている - どこから直せばいいか分からない
- 直してもまた壊れそうな不安がある
この状態なら、
部分修正のフェーズはもう終わっています。
必要なのは、
- 在庫管理をどういう構造で回すべきか
- どこまでを仕組みに任せるべきか
- 人はどこにだけ関与すべきか
という全体像と判断軸です。
全体像から整理したガイドはこちら
ロケーション管理を含めて、
- 在庫管理をどう設計すべきか
- どこから手を付けるべきか
- 何を仕組みに寄せるべきか
を、
現場目線で整理したガイドを
別ページにまとめています。
👉 在庫管理を根本から整理したガイドはこちら
(ピラーページへの内部リンク)
※ ロケーション問題が
「なぜ何度も再発するのか」
「どういう順番で直すべきか」
も、この中で整理しています。
H2-8|小規模倉庫向けに設計された在庫管理の仕組みもある
ここまで読んで、
- エクセルの限界は分かった
- でも、いきなり大規模システムは現実的じゃない
- 高機能すぎるツールは逆に不安
そう感じている人も多いと思います。
この感覚も、かなり正しいです。
高機能すぎる在庫管理ツールが合わない理由
在庫管理システムというと、
多くの人がまず思い浮かべるのが、
- 大企業向け
- 機能が山ほどある
- 導入が重い
- 設定が難しそう
- 現場が使いこなせなさそう
こういうタイプのツールです。
そして実際、
小規模倉庫や少人数現場にとっては、
- 機能が多すぎる
- ルール設計が重すぎる
- 運用が複雑になりすぎる
という理由で、
「エクセルよりマシだが、結局続かない」
という結果になることも珍しくありません。
つまり、
エクセルが限界なのは事実だが
何でもシステム化すればいいわけでもない
という、ちょっとややこしい状態です。
ロケーション管理を前提に設計されたツールも存在する
実は世の中には、
- 小規模倉庫
- 少人数運用
- ロケーション管理が重要な現場
こうした前提条件そのものから設計された
在庫管理ツールも存在します。
特徴はかなりシンプルで、
- ロケーション管理が後付け機能ではない
- 入出庫と棚番が最初から一体になっている
- 現場の「探せない」「ズレる」を前提にしている
という思想で作られています。
アピス在庫管理システムという考え方もある
その一つが、
アピス在庫管理システムという
小規模倉庫向けの在庫管理ツールです。
ここで、
細かい機能や価格の話はしません。
この文脈で重要なのは、
次の3点だけです。
① 思想:エクセル限界層のための在庫管理
アピス在庫管理システムは、
- いきなり大規模システムは無理
- でもエクセルはもう限界
- 現場が回らなくなってきている
というちょうどこの層を前提に
設計されています。
② 思想:ロケーション管理を前提にしている
ロケーション管理を、
- オプション機能
- あとから付け足すもの
としてではなく、
在庫管理の中心構造の一部
として最初から組み込んでいる
という思想で作られています。
③ 対象読者:小規模・少人数・現場主導の倉庫
対象ははっきりしています。
- 小規模倉庫
- 少人数で回している
- 現場主導で在庫を管理している
- エクセル運用に限界を感じている
こうした現場向けのツールです。
ここでは「知っておくだけ」で十分です
この補助記事の中で、
アピス在庫管理システムを
売りたいわけではありません。
ここでの目的は、ただ一つです。
こういう思想の在庫管理ツールも
世の中には存在する
ということを、
頭の片隅に置いてもらうこと。
それだけです。
いま導入を考えていなくても問題ありません。
でも、
- もう一段悪化したとき
- エクセルが完全に回らなくなったとき
- どこから直せばいいか分からなくなったとき
そのときに、
そういえば、
小規模向けの在庫管理ツールが
あるって書いてあったな
と思い出してもらえれば、
このセクションの役割は
それだけで100点満点です。
H2-9|まとめ|エクセルが悪いのではなく「役割が違う」
ここまで読んでいただいて、
ひとつだけ、はっきり伝えておきたいことがあります。
それは、
エクセルが悪いわけではありません。
ただ、役割が違うだけです。
エクセルは「小さな世界」では本当に優秀です
エクセルは、本来とても優秀なツールです。
- SKUが少ない
- 人が固定されている
- 入出庫が少ない
- 探す時間がほぼゼロ
- 在庫ズレがほとんど起きない
この条件がそろっているなら、
エクセル運用は今でも十分に成立します。
むしろ、
その状態をちゃんと維持できている現場は
エクセルを使い続けるのが正解
です。
問題は「世界が少し大きくなった瞬間」に起きる
問題が起きるのは、
次のラインをどこかで超えた瞬間です。
- SKUが増えた
- 人が入れ替わった
- 入出庫が増えた
- 探す時間が増えた
- 在庫ズレが月1回以上起きるようになった
このどれかに心当たりがあるなら、
それはもう「努力」や「注意力」で
どうにかなるフェーズではありません。
構造の問題に入っています。
直すべきなのは、エクセルではなく「仕組み」
ここで多くの現場がやってしまうのが、
- ルールを増やす
- チェックを厳しくする
- 書き方を統一する
- 管理表を作り直す
という人依存の延命策です。
でもこれは、
ほぼ確実にまた破綻します。
なぜなら、
ロケーション管理の問題は、
ロケーションだけの問題ではない
からです。
在庫数、入出庫、履歴、SKU設計、棚卸――
すべてがつながっています。
ここが、判断ラインです
もし今の現場が、
- 探す時間が確実に増えている
- ロケーションを信用できなくなっている
- 在庫数に自信が持てなくなっている
- また別の場所で破綻しそうな予感がしている
このどれかに当てはまるなら、
もう「部分修正」の段階は終わっています。
必要なのは、
在庫管理をどういう構造で回すべきか
という全体像と判断軸
です。
単発で直したい人も、全体から考えたい人も
この補助記事は、
ロケーション管理という
一点の問題を切り出して書いています。
でも実際には、
- 単発で直して済む人
- 単発ではもう済まない人
この2種類がいます。
もし、
- まだ単発で直せそう
- もう少しだけエクセルで粘りたい
そう感じているなら、
それもまったく間違いではありません。
一方で、
- どこから直せばいいか分からない
- また同じことが起きそうな不安がある
この状態なら、
一度、在庫管理全体の構造から
整理してみる価値は十分にあります。
在庫管理を「根本から」整理したガイドはこちら
ロケーション管理を含めて、
- 在庫管理をどう設計すべきか
- どこから手を付けるべきか
- 何を仕組みに任せるべきか
を、現場目線でまとめたガイドを
別ページに用意しています。
👉 在庫管理を根本から整理したガイドはこちら
(ピラーページへの内部リンク)
※ 単発で直すべきか、
※ 仕組みから直すべきか、
その判断ラインもここで整理しています。
相談したい人へ(※ 売り込みではありません)
もし、
- もう限界かどうか自分では判断できない
- 直す順番だけでも整理したい
- いきなりシステム導入は怖い
そう感じているなら、
一度だけ現場の状況を
言語化してみるのも一つの手です。
👉 在庫管理の相談ページはこちら
(LPへの内部リンク)
※ ここでは
※ いきなり売り込みはしていません
※ 現場の状況整理から入ります





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