参政党は極右なのか?世界で台頭する右派政党と“右傾化”の背景をやさしく解説 日本人ファーストを切る!
参議院選挙で躍進した参政党ですが、日本でも関心が高く報道機関で取り上げられていますが、海外では極右台頭といった形で、紹介されていたりして、ちょっとセンセーショナルです。 この記事はそういった報道がされる背景等を説明します。下記に海外の報道機関の例を挙げておきます。
参政党の大躍進と海外評価
2025年7月20日に行われた参議院選挙で、参政党が「極右(far-right)」政党として大躍進したことが、ロイターほか欧米主要メディアで大きく報じられました。近年の欧州や米国の極右ポピュリズム台頭と日本の動きが重ねて論じられています。
Reuters(ロイター)の最新記事要旨(2025年7月21日)
- 極右政党としての明記
ロイターは参政党を「fringe far-right Sanseito party(周縁の極右政党)」と呼び、今回の参院選最大の勝者のひとつと位置づけています。 - 特徴と主張
- 「日本人ファースト」を掲げ、移民による「静かな侵略(silent invasion)」への警告が支持を集めたと解説。
- コロナ禍のYouTube発・ネット拡散力、反グローバル、反ワクチンなどの陰謀論的要素、増税への反発、福祉政策拡大なども支持層を拡大した要因と紹介。
- 欧米極右との共通項
- トランプ時代の「America First(アメリカ・ファースト)」運動と類似し、ポピュリズムの潮流が日本でも再現されつつあると指摘しています。
- 若年保守層への浸透、移民排斥論、SNS発信力の強さ等を強調。
- 結果・選挙影響
- 参政党は選挙前の1議席から一気に14〜15議席(NHK推計)と大幅増。今後、与党の政策・政局運営にも影響大と論じられています。
- 現地取材で、党支持者らが東京で勝利を祝う動画も配信
海外報道機関からの報道のまとめ
そもそも「極右」とは?その定義と誤解
- 極右=危険? という誤解
- 政治スペクトラムにおける「右」と「左」
- 極右と保守の違いとは?
そもそも「極右」とは?その定義と誤解
極右=危険? という誤解
日本では「極右」という言葉に対して、しばしば「危険な思想」「過激な主張」「ヤクザのような集団」といったイメージが結びつけられがちです。実際、街宣車で大音量を流す団体などが「極右団体」と報道された過去もあり、その印象が強く残っています。
しかし、本来「極右(far-right)」という言葉は、政治的立ち位置を表す用語であり、必ずしも暴力的・反社会的であるとは限りません。特定の国益や伝統文化、宗教観を重視する傾向を持つ政党や思想が「極右」と呼ばれることもありますが、それらが常に「危険」だとは言えません。
むしろ、ポピュリズム(大衆迎合主義)と結びついた過激な言動や陰謀論のような要素が強くなると、極右というレッテルが貼られやすくなるという側面があります。
政治スペクトラムにおける「右」と「左」
政治思想はしばしば「右派(保守)」と「左派(リベラル)」のスペクトラムで語られます。
- 右派(保守):伝統・家族・国家・秩序を重視。市場経済を信頼し、小さな政府を好む傾向。
- 左派(リベラル):平等・多様性・弱者支援・社会福祉を重視。大きな政府や再分配政策に前向き。
この中で「極右」とは、保守的価値観を極端に突き詰めた立場にあり、以下のような主張が見られることがあります。
- 自国第一主義(ナショナリズム)
- 移民排斥・文化の均質化への志向
- 反グローバリズム
- EUなど超国家的組織への批判(欧州に多い)
ただし、これらは国や時代によって意味が変わるため、「極右=〇〇」という明確な定義は難しく、文脈で判断されるべき概念でもあります。
極右と保守の違いとは?
極右と保守は混同されがちですが、決定的な違いは「過激さ」と「排外性」です。
保守 | 極右 | |
---|---|---|
国を守る意識 | ○(伝統や文化を重視) | ◎(排他的ナショナリズム) |
政策の柔軟性 | ○(妥協あり) | △(原理主義的) |
他者への寛容性 | ○(ルールの中で共存) | ×(敵対・排除志向) |
デモ・暴動等の姿勢 | 否定的 | 容認または賛美する傾向あり |
つまり、保守はあくまで「漸進的な変化を望む穏健派」ですが、極右は「敵味方を分けて強硬策を取る」という点で、より急進的・対立的な立場を取ることが多くなります。
参政党とはどんな政党?政策・立場を整理
- 公式な立場と政策概要
- なぜ「極右」と見られるのか?世間の印象と報道
- 参政党をどう評価するかは人それぞれ
参政党とはどんな政党?政策・立場を整理
2022年の参議院選挙で初の国政進出を果たし、話題となった「参政党」。その急成長ぶりから注目を集める一方で、「極右」「陰謀論的」といった評価も見られます。ここでは、参政党の公式な政策と立場、そして世間の捉え方を整理しながら、冷静にこの政党の特徴を見ていきます。
公式な立場と政策概要
参政党は、公式には**「しがらみのない政治」「国民による政治の再構築」**を掲げた新しい政治運動体です。特定の団体や企業に依存しない「草の根運動」で支持を広げ、次のような政策が軸となっています。
主要な政策方針(抜粋):
- 教育改革:歴史教育の見直し、道徳教育の強化
- 健康・食の安全:ワクチン・医療・農薬に対する慎重な姿勢
- 自主憲法の制定:現行憲法の改正を含む独自憲法構想
- 外交安全保障:自衛力の強化、グローバリズムへの懐疑
- 政治の透明化:政治資金のクリーン化、官僚依存脱却
また、党の特徴として、「国民が育ち、判断できるようになること」が政治の基本という立場を取り、政治参加そのものを教育と位置づけている点がユニークです。
なぜ「極右」と見られるのか?世間の印象と報道
参政党が「極右」と評される理由はいくつかあります。
主な要因:
- ナショナリズム的な主張
→ 歴史観や憲法観において、日本の独自性を強調し、戦後の国際秩序に批判的な姿勢を取る点が、右派色を強めています。 - 反グローバリズム・陰謀論的傾向
→ コロナワクチンや食の安全に対する懐疑的なスタンスは、**「科学的根拠に乏しい」「陰謀論に近い」**と一部で批判されています。 - メディアとの対立的姿勢
→ 大手メディア報道を信用せず、「マスコミに騙されるな」というスローガンなどを掲げることが、ポピュリズム的・排他的に映ることもあります。
結果として、報道機関や評論家によっては「極右」「ポピュリズム政党」として位置付けられがちです。しかし、それが必ずしも事実を正確に反映しているとは限らず、ラベリングの危うさもあります。
参政党をどう評価するかは人それぞれ
政治的立場の評価は、「どの視点から見るか」によって大きく変わります。
- 「国民の声を代弁する新勢力」と見る人もいれば、
- 「科学より感情に基づいた過激政党」と警戒する人もいます。
参政党は、現代日本の政治不信や情報不安を背景に、既存政党では拾いきれなかった不満層の受け皿として急速に成長したと言えます。
重要なのは、感情やイメージで判断するのではなく、政策や活動を自分で確かめ、自分の視点で評価すること。そうすることで、健全な政治参加につながるはずです。
なぜ今、極右政党が世界で増えているのか?
- ヨーロッパでの台頭(フランス、オランダなど)
- アメリカのトランプ再登場も影響
- グローバル化と移民政策への不満
- コロナ以降の「不信感」と「自己責任論」
なぜ今、極右政党が世界で増えているのか?
ここ数年、ヨーロッパやアメリカ、そして日本を含めた世界各国で「極右」とされる政党や政治家が台頭しています。これは一時的なブームではなく、社会の構造的な変化を背景とした世界的トレンドとも言える動きです。なぜ今、極右が支持を集めるのか──その理由を4つの視点から解説します。
ヨーロッパでの台頭(フランス、オランダなど)
ヨーロッパでは、移民やEU(欧州連合)に対する不満を背景に、極右とされる政党が続々と議席を伸ばしています。
- フランスでは、国民連合(旧・国民戦線)のマリーヌ・ルペン氏が大統領選で善戦し、今や主流政党に迫る勢い。
- オランダでは、反イスラム・反移民を掲げるヘルト・ウィルダース氏率いる自由党が、2023年の総選挙で第1党に。
これらの政党はいずれも、「グローバル化で国民の暮らしが悪化した」「エリート政治は庶民を見ていない」といった感情に訴えながら、**「国を守る政治」**を訴えて支持を拡大しています。
アメリカのトランプ再登場も影響
アメリカにおけるドナルド・トランプ氏の復権も、世界の極右化を後押ししています。
- トランプ氏は「アメリカ・ファースト」「移民排斥」「メディア不信」「陰謀論的言説」など、分断と対立を煽る戦略で熱狂的な支持を得ました。
- 2024年の大統領選でも再登場が現実味を帯び、アメリカ国内だけでなく、世界の保守勢力に大きな影響力を持つ存在になっています。
トランプ現象は、他国の政治家にとって「既存のメディアやエリート層を敵に回しても、大衆の支持を得れば政権を取れる」というモデルケースにもなっています。
グローバル化と移民政策への不満
極右政党の台頭には、グローバル化の負の側面も深く関係しています。
- グローバル経済の進展により、大企業は潤っても、地方や低所得層の雇用が失われるという格差が拡大。
- 一方、移民の流入により、「仕事を奪われる」「文化や治安が壊される」といった不安や不満が可視化されました。
こうした中で、極右政党は「移民反対」「国民の雇用を守れ」というシンプルで感情に訴えるメッセージを掲げ、多くの人の共感を得ています。
コロナ以降の「不信感」と「自己責任論」
新型コロナウイルスのパンデミック以降、政府・専門家・マスメディアに対する不信感が世界的に広がりました。
- ワクチン政策や行動制限への反発
- マスコミによる情報統制への疑念
- 経済的困窮や孤独の中での「自己責任」論の強調
これらが複合的に作用し、多くの人々が「誰も自分たちを守ってくれない」と感じるようになりました。その結果、従来の価値観に反発し、既存の政治に対して「ノー」を突きつける票が極右政党に集まりやすくなったのです。
日本の右傾化はどこまで進んでいるのか?
- 自民党の保守傾向と維新・参政党の存在感
- 若者層が保守化していると言われる理由
- 「極右」という言葉の乱用による誤解も多い
日本の右傾化はどこまで進んでいるのか?
日本でも「右傾化」という言葉がしばしば使われますが、何をもって右傾化と言うのか、どの層・どの論点で右寄りなのかを切り分けて見ないと、実態を見誤ります。ここでは(1)主要政党の配置、(2)有権者とくに若年層の意識、(3)メディアや論評での「極右」ラベリングの問題、の3点から整理します。
自民党の保守傾向と維新・参政党の存在感
戦後長らく与党として君臨してきた自民党は、もともと「保守政党」として位置づけられています。憲法改正や安全保障強化、家族や共同体の価値の重視といった政策は、右派(保守)と親和性が高いテーマです。
一方で、**経済政策では現実主義的・中道路線(再分配や補助金・公共事業を重視)**をとる局面も多く、必ずしも“イデオロギー的に右へ一直線”というわけではありません。実務政党として、支持基盤の広さや官僚機構との協働も相まって、場面ごとに右・中道・時に左寄りの政策も採るというのが実態です。
その中で、日本維新の会は「規制改革」「小さな政府」「自助・自己責任」を強調し、経済・行政改革面では右派(リバタリアン寄り)と評価されやすい一方、社会政策(例:夫婦別姓や選択的な制度改革)では自民党よりリベラルに映ることもあります。
参政党は、あなたが整理してきた通り、ナショナリズム・伝統的価値観・独自の健康/食の安全観・反グローバリズム的主張が目立ち、海外メディアから「極右」と評される要素を複数持ちます。結果として、「自民=保守本流」「維新=改革保守(経済右派×一部社会リベラル)」「参政党=ナショナリズム色の強い新右派」という**“右の中の多様化”**が進んだ、と捉えるのが実態に近いでしょう。
若者層が保守化していると言われる理由
日本では近年、「若者が保守化している」と指摘されることが増えました。ただし、これは**“右派政党への全面的な支持”という意味ではなく、論点ごとに右寄り・左寄りが混在**しているのが実情です。背景として、以下の要因がよく挙げられます。
- 既存秩序を相対的に信頼する傾向
長期停滞の中で「急進的な改革より、安定を優先したい」という心理が働く。結果として、与党(自民)や保守的価値観への抵抗感が薄い。 - ナショナル・アイデンティティの再評価
グローバル化の中で「日本らしさ」「文化・伝統の再評価」への関心が高まり、歴史・防衛・外交に関して保守的立場へ共感が集まりやすい。 - ネット空間での情報摂取の偏り
既存メディア不信とSNSの発達により、“自分と同じ意見”が可視化・増幅されやすい。結果として、右派・左派問わず、強い主張が支持を集めやすくなる。 - 経済的リスクの個人化(自己責任論の浸透)
非正規雇用の増加、社会保障への不安などから、「国家や政治に頼るより自助努力を」という価値観に親和性が出やすい。
ただし、若者が常に「社会的に保守」かといえばそうでもなく、LGBTQ+や多様性への理解、働き方の柔軟性、テクノロジー/カルチャー面ではリベラルな傾向も顕著です。
要するに、「若者=右傾化」と一括りにするのではなく、“どの政策テーマで右寄り/左寄りに反応しているのか”を切り分けて把握することが重要です。
「極右」という言葉の乱用による誤解も多い
日本の議論では、気に入らない主張や不快な価値観をまとめて「極右」とレッテル貼りする傾向が見られます。しかし、**学術的・国際的に用いられる「極右」の定義(排外主義、強い排他ナショナリズム、権威主義、反民主主義的傾向など)**を厳密に当てはめると、日本の多くの右派政党・保守層はそこまで先鋭化していません。
- 「右派=極右」ではない
右派(保守)と極右(過激・排外・権威主義)は連続線上にありますが、境界を曖昧にしてしまうと、冷静な議論や比較が困難になります。 - 論点ごとの“右・左”を測る必要
例えば、防衛・外交では右、福祉や再分配では左、社会的価値観ではリベラル――というように、一人の中に複数の座標軸が同居することが当たり前になっています。レッテルだけで全体を語るのは現実的ではありません。 - メディアリテラシーの重要性
「極右」という強い言葉はクリックを集めやすく、議論が単純化されがちです。政治初心者ほど、ラベルではなく一次情報(政策、投票行動、公式声明)を確認する姿勢が重要になります。
まとめ:日本は“単純に右傾化”しているわけではない
- 自民・維新・参政党の存在感の高まりで、**「右の中が多様化」**しているのは事実。
- 若者は一部テーマで保守的だが、同時にリベラルな価値観も支持する「ハイブリッド型」。
- 「極右」という言葉が乱用されることで、保守と極右、現実主義と過激主義の線引きが曖昧になり、議論が粗くなっている。
日本の政治状況を理解するには、一枚岩の“右傾化”という図式ではなく、テーマごとのスタンス、政党間の差異、世代ごとの価値観の混在を丁寧に読み解くことが不可欠です。
政治を「右か左か」で分けることの限界
- ポジショントークの罠
- 論点ごとにスタンスは変わる
- 「右か左か」よりも「どう生きたいか」
政治を「右か左か」で分けることの限界
「右か左か」「保守かリベラルか」——。政治や政党を語るとき、私たちはつい“二元論”で捉えがちです。しかし実際の政治や人々の価値観は、そんなに単純ではありません。
ここでは、現代の政治を理解するうえで「左右のラベル」がどこまで有効なのか、そしてその限界について考えてみます。
ポジショントークの罠
現代の政治では、「右だからこう言う」「左だからこう反対する」といった“ポジショントーク”が目立ちます。これは、立場(イデオロギー)ありきで発言や態度が決まり、議論が建設的にならない状態を指します。
たとえば、ある政策が合理的であっても「自民党が出しているから反対」「リベラルメディアが推してるから信用しない」といった態度は、まさにポジショントークの弊害です。
さらにSNSでは、
- 「○○を批判すると右扱いされる」
- 「××に賛成すると左翼とレッテルを貼られる」
といった現象も起きやすく、本質的な政策論や価値判断よりも、“どの陣営か”という所属意識に左右された議論が多くなっています。
論点ごとにスタンスは変わる
本来、政治的スタンスは一枚岩ではなく、論点ごとに人それぞれ異なっていて当然です。
例を挙げると:
- 外交・防衛は右寄り(強硬路線支持)だが、経済政策では左寄り(再分配重視)
- 伝統文化は重視するけれど、LGBTQ+の権利にも賛成
- 保守的な家族観を持つが、AIや仮想通貨など先進技術にはリベラル
このように、一人の中に“保守”と“リベラル”が共存することはごく普通です。
にもかかわらず、「この人は右」「あの政党は左」と十把ひとからげにする風潮は、実態を見誤る原因になります。
また、時代や社会の変化に応じてスタンスが変わるのも自然なことです。たとえば、かつての「改革派(リベラル)」が今や「伝統を守る保守」として位置づけられる場面も増えています。
「右か左か」よりも「どう生きたいか」
これからの時代、政治を見るうえで重要なのは、単に「右か左か」ではなく、**「自分はどんな社会に生きたいのか」「どんな価値を大切にしたいのか」**という“生き方”の視点です。
政治は本来、暮らしや未来の選択に深く関わっています。
- 自分や家族の安全をどう守るのか
- 誰が、どんな形で助け合うべきか
- 未来の世代に何を残すべきか
そうした「価値の選択」こそが、政治の根本にあるべきです。
左右のラベルに縛られすぎると、「大切にしたいこと」が見えにくくなり、自分の選択や判断が“外側の言葉”に乗っ取られてしまうこともあります。
まとめ:ラベルよりも「自分の言葉」で考える
- 政治を「右」「左」で分ける時代は、終わりつつある
- 一人の中に複数の価値観が混在するのが自然
- 自分の立場や判断を、“誰かのラベル”ではなく“自分の軸”で定義していくことが大切
政治的立場は、固定された所属ではなく、**「対話と経験によって育つプロセス」**です。
これからの時代、「右か左か」ではなく「どう生きたいか」をベースに考える力こそが、健全な民主主義の土台になっていくでしょう。
まとめ|参政党と世界の右派政党をどう見るべきか
- レッテルではなく中身を見る時代
- 世界の分断と、私たちにできること
まとめ|参政党と世界の右派政党をどう見るべきか
近年、参政党のような「新しい右派政党」が日本でも注目を集め、同時にヨーロッパやアメリカでも“極右”と呼ばれる勢力が力を伸ばしています。
こうした現象をどう捉え、私たちはどう向き合うべきなのでしょうか。
レッテルではなく中身を見る時代
「極右」「保守」「リベラル」といった政治的なラベルは、便利な一方で、本質を見誤る危険もあります。
- 参政党は本当に“極右”なのか?
食や教育への関心、伝統文化の尊重、自己責任論の強調——これらは“極右”というよりも“新保守”や“オルタナティブ右派”と呼ぶ方が実態に近いかもしれません。 - 世界の右派も一枚岩ではない
たとえば、フランスのル・ペン党と、オランダの極右政党、アメリカのトランプ支持層では、民族・経済・宗教に対するスタンスが大きく異なります。右派にも多様性があるのです。
今後、私たち一人ひとりに求められるのは、**「ラベルで決めつける」のではなく「中身を見て、判断する」**ことです。
それは、政策の細部に目を向け、演説や公約に耳を傾け、自分自身の価値観と照らし合わせるという、主体的な政治参加の姿勢でもあります。
世界の分断と、私たちにできること
世界が右傾化・分断化しているといわれる今、何が起きているのでしょうか?
- 経済格差の拡大
- 移民・グローバル化への反発
- パンデミックや戦争による「国家不信」
- 既存の政治システムへの不満
こうした複合的な要因が、多くの国で**「既存政治へのアンチテーゼ」としての右派政党の台頭**を生んでいます。
日本の参政党も、そうした“現状への不信”を反映した動きと見ることができるでしょう。
では、私たちはどう向き合えばいいのでしょうか?
- 「違う意見=敵」とみなさず、背景を理解しようとする姿勢
- 情報の出どころを確認し、偏った言説をうのみにしないリテラシー
- 政策やビジョンを比較し、自分の言葉で判断すること
このような冷静で誠実な態度こそが、分断を乗り越える第一歩です。
社会が対立ではなく“議論”で動くために、私たち一人ひとりの姿勢が問われているのです。
締めくくりに
右か左か、保守かリベラルか。
それは一つの目安にすぎません。
本当に大切なのは、「この社会をどうしたいか」「自分たちはどんな未来を選びたいか」を、自分の頭で考えることです。
参政党をどう見るか、世界の極右をどう捉えるか——
その答えは一つではありません。
だからこそ、情報を鵜呑みにせず、自分の視点を持つことが、これからの民主主義の鍵となるのです。
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