在庫管理システムを入れる前に知っておいてほしい
「やってはいけない順番」と「失敗しない進め方」
本講座では、
アピス在庫管理システムでの実際の導入経験をベースに、
中小規模の現場でも無理なく進められる考え方を整理しています。
在庫管理システムの話になると、
次に多くの人が悩むのがここです。
「商品マスターって、
どこまで作り込めばいいんですか?」「全部の項目を最初から埋めないと
ダメなんでしょうか?」
ネットを見ると、
- 商品名
- 型番
- カテゴリ
- 仕入先
- 原価
- ロット
- 使用期限
- バーコード
と、
とにかく“全部ちゃんと入れましょう”
という空気が漂っています。
でも、現場の感覚だと、
こう思いませんか?
「それ、いつ終わるの…?」
この回では、
「最初から全部作らなくていい」
という考え方を、
不安が残らない形で整理します。
不安の言語化
- 商品マスター作りが重すぎて、
導入に踏み切れない - 全項目を埋めないと
システムが使えない気がする - 作り込み不足で
後から困るのが怖い - 結局どこまでやれば
“正解”なのか分からない - 途中で投げ出して
失敗扱いになるのが不安
こうした不安は、
とても自然なものです。
責めない宣言
最初に、
一つだけはっきり言います。
商品マスターを
最初から全部作れないのは、
あなたの怠慢ではありません。
むしろ、
それをやろうとする人ほど、
途中で止まってしまいがちです。
この講座では、
「全部入れてから始める」
という前提自体を外します。
今回のゴール
この回のゴールは、
「完璧な商品マスターを作る」ことではありません。
- 最初に“最低限”で始める発想を持つ
- 何を後回しにしていいか判断できる
- 作り込みすぎない安心感を持つ
ここまで腹落ちすれば十分です。
H2-1|そもそも商品マスターは何のためにあるのか
まず、
商品マスターの役割を
シンプルに整理します。
商品マスターは、
**「在庫管理を安定させるための台帳」**です。
- 入出庫を正しく記録する
- 在庫一覧を見やすくする
- 同じ商品を
別名で登録しないようにする
この3つができれば、
ひとまず役割は果たしています。
最初から、
- 原価管理
- ロット管理
- 使用期限管理
- 分析用の属性管理
ここまで担わせる必要はありません。
H2-2|「全部入れないと意味がない」という思い込み
よくある思い込みが、これです。
「商品マスターなんだから、
全項目を埋めないと
ちゃんと管理できない」
一見もっともらしく聞こえます。
でも、実務ではこうなりがちです。
- 入力が終わらない
- 担当者の作業が止まる
- 導入そのものが延期される
- 結局、Excelに戻る
結果、
“商品マスターを作ること”自体が
目的になってしまう
という本末転倒が起きます。
H2-3|最初は「最低限」でいい
ここで、
一度ハードルを下げてください。
最初に必要なのは、
このレベルで十分です。
- 商品コード(またはSKU)
- 商品名
- カテゴリ(大まかでOK)
これだけあれば、
- 入庫できる
- 出庫できる
- 在庫一覧が見られる
この3点は成立します。
原価、ロット、使用期限、
仕入先、バーコード…。
それらは、
後から足していける情報です。
H2-4|「後から足せるもの」と「最初に決めるもの」
ここは、
少しだけ整理しておきましょう。
後から足していけるもの
- 原価
- 仕入先
- ロット
- 使用期限
- バーコード
- 分類タグ
- 分析用の属性
これらは、
運用しながら整えても
ほとんど問題になりません。
最初に決めておいた方がいいもの
一方で、
これだけは最初に
ある程度決めておいた方が安全です。
- 商品コード(SKU)の考え方
- 同一商品の判定ルール
- セット品の扱い方
- サイズ違い・色違いの分け方
ここがブレると、
後から整理するコストが
一気に跳ね上がります。
H2-5|今の管理方法を壊さない、という考え方
第6回・第7回でも触れましたが、
ここでも同じ思想が効いてきます。
今の管理方法を
無理に壊さなくていい。
すでにExcelで、
- 商品コードが定着している
- カテゴリ分けが運用されている
- 伝票と連動している
こうした状態なら、
それを一度そのまま使う
という判断は、とても合理的です。
商品マスターは、
「きれいに作る」ためのものではなく、
「運用に乗せる」ためのものです。
考え方/判断軸
ここまでの話を、
一つの判断軸にまとめます。
・最初から全部入れなくていい
・最低限で始めていい
・後から足せるものは後回し
・今の管理方法を壊さない
・作り込みすぎない
これが、
第8回で一番大事なポイントです。
ここまで読んだ方へ|在庫管理の「次の一歩」のご案内
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
この講座では、「完璧を目指さない在庫管理」、 「現場を疲弊させない導入」、 「止まらない仕組みづくり」 を一貫してお伝えしてきました。
この講座の考え方は、アピス在庫管理システムの思想そのものです
実はこの講座でお話ししてきた考え方は、すべて 「アピス在庫管理システム」という小規模事業者向けの在庫管理システムを設計する中で生まれたものです。
- SKUや棚番を完璧に決めなくても始められる
- Excelからの段階導入を前提にできる
- 全数棚卸を強制しない(理想の一つとして扱う)
- ルールを重くせず、止まらない運用を優先する
その代わり、「小さな会社が、失敗せずに始められる」ことに本気で振り切っています。
ここまで読んで「うちも何とかしたい」と思った方へ
- 売り込みはしません(合わない場合は「やめた方がいい」とお伝えします)
- 今のやり方(Excel運用など)を否定しません
- 「導入するか迷っている」段階でも大丈夫です
👤 筆者プロフィール|DXジュン(Apice Technology 代表)
「tecn」を運営している DXジュン です。
Apice Technology株式会社の代表として、20年以上にわたり
Web制作・業務改善DX・クラウドシステム開発に携わっています。
普段は企業の現場課題に寄り添いながら、
在庫管理システム/予約システム/求人管理/受発注システム/クラウドソーシング など、
中小企業の仕事を“ラクにするツール”を作っています。
tecn では、業務改善のリアルや、Webシステムの仕組み、 そして「技術が生活をちょっと楽しくしてくれる」ような 日常×デジタルのヒントをゆるく発信しています。
現在の注力テーマは 在庫管理のDX化。 SKU・JAN・棚卸・リアルタイム連携など、 現場で役立つ情報を発信しつつ、 自社のクラウド在庫管理システムも開発・提供しています。
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記事があなたの仕事や生活のヒントになれば嬉しいです。 コメント・ご相談があればお気軽にどうぞ!





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