在庫管理システムを入れる前に知っておいてほしい
「やってはいけない順番」と「失敗しない進め方」
本講座では、
アピス在庫管理システムでの実際の導入経験をベースに、
中小規模の現場でも無理なく進められる考え方を整理しています。
在庫管理は、まずExcelから始めている会社がほとんどだと思います。
手軽で、自由度も高く、最初の管理方法としてはとても優秀です。
そのため、
「在庫管理はExcelで十分では?」
「システム化はまだ早いのでは?」
と感じるのは、ごく自然な判断です。
この回では、
Excelが良い・悪いという話ではなく、
「いつまでExcelでいけるのか」
「どのタイミングでシステム化を考えるべきか」
を冷静に判断するための基準を整理します。
無理にシステム導入を勧める回ではありません。
あくまで「判断の目安」を持ち帰ってもらうことが目的です。
H2-1|Excel在庫管理が悪いわけではない
最初にお伝えしておきたいのは、
Excel在庫管理そのものは決して悪くないということです。
Excelは、
- 導入コストがかからない
- 自社用に自由に作れる
- 少人数・少品目なら十分に回る
といった強みがあります。
実際、
在庫点数が少なく、
管理する人も固定されている環境では、
Excelで何年も問題なく運用できているケースもあります。
問題は「Excelを使っていること」ではなく、
Excelで管理し続けることが前提になってしまうことです。
H2-2|Excelで無理なく回るケース・回らなくなるケース
Excelで在庫管理が無理なく回るのは、
次のような条件がそろっている場合です。
- SKU(管理単位)が少ない
- 入出庫が単純
- 管理する人が限られている
- 棚卸の頻度が少ない
一方で、次のような変化が出てくると、
Excel管理は徐々に苦しくなります。
- SKUが増えてきた
- 複数人が同じ表を触る
- 棚卸や修正作業が増えた
- 「どれが最新か分からない」状態が出てきた
ポイントは、
規模の大きさではなく、運用の複雑さです。
H2-3|システム化を検討すべきサイン① 在庫数が合わなくなってきた
Excel管理で最初に出てくるサインが、
「在庫数が合わないことが増えてきた」です。
ここでよくあるのが、
「入力ミスが多いからだ」
「現場の意識の問題だ」
と考えてしまうことです。
しかし実際には、
原因は更新タイミングのズレであることがほとんどです。
- 誰かが更新した後に別の人が上書きする
- 修正履歴が追えない
- 同時に触れない
こうしたことは、
Excelという仕組み上、どうしても起こります。
「たまにズレる」状態が、
「いつもズレる」に近づいてきたら、
それは精神論では解決できない段階に入っています。
H2-4|システム化を検討すべきサイン② 属人化・引き継ぎが難しくなった
もう一つの大きなサインが、
属人化です。
- このExcelは○○さんしか分からない
- 関数が複雑で触れない
- 引き継ぎが口頭説明になっている
こうした状態は、
その人が悪いわけではありません。
Excelは自由度が高い分、
作った人の考え方に強く依存しやすいのです。
人が増えたり、入れ替わったりしたときに、
引き継ぎが難しくなってきたら、
それは仕組みとしての限界が近づいているサインです。
H2-5|「今すぐ導入」ではなく「検討を始める」タイミング
ここまで当てはまったからといって、
すぐにシステムを入れなければならないわけではありません。
大切なのは、
「検討を始めるタイミング」に入っているかどうかです。
この段階で、
- SKUをどう考えるか
- 棚番をどう付けるか
- 誰が、いつ、入力するか
といった点を、
軽く整理し始めるだけでも、その後が楽になります。
アピス在庫管理システムでも、
Excel運用からの段階的な切り替えを前提に、
無理のない導入を想定しています。
まとめ
在庫管理をExcelで行うこと自体は、
決して間違いではありません。
ただし、
在庫数のズレや属人化といった
限界のサインは、確実に現れます。
重要なのは、
早すぎず、遅すぎず、
「検討を始めるタイミング」を見極めることです。
次回は、
在庫管理システム導入前に、現場と共有しておくべきこと
について整理していきます。
参考|Excel在庫管理を続けるか迷ったときの補足資料
今回は、
在庫管理を Excelで続けるべきか、システム化を検討すべきか
を判断するための基準を整理しました。
もし、
「Excel運用でどこが限界になりやすいのか」
「実務ではどんな問題が起きやすいのか」
をもう少し具体的に知りたい場合は、
以下の記事も 補足資料として 参考になります。
▶ Excel在庫管理の“できること・できないこと”を整理したい方
エクセル在庫管理のやり方|テンプレ・基本項目・注意点を徹底解説【2026年版】
https://tecn.apice-tec.co.jp/excel-invmgmt-template/
→ Excel在庫管理の基本から、
→ 「どこまでなら無理なく回るか」
→ 「どこから苦しくなるか」を
実務目線で整理しています。
▶ 在庫数が合わなくなってきた原因を知りたい方
在庫管理で“棚卸ミス”をゼロに!現場で使える5つの対策|中小企業向け
https://tecn.apice-tec.co.jp/inventory-mistake-prevention251030/
→ 在庫が合わなくなる原因を
→ 人の問題ではなく
→ 仕組みの問題として分解しています。
▶ Excel運用が属人化してきたと感じている方
属人化した在庫管理が招く5つのリスクと解決法|“人に頼らない仕組み化”の進め方
https://tecn.apice-tec.co.jp/inventory-dependence-risk-solution/

→ 「○○さんしか分からない」状態が
→ なぜ起きるのか
→ どう防げるのかを
システム導入前提ではなく整理しています。
※ いずれも 補足資料 です。
今すぐすべて読む必要はありません。
気になるテーマだけ拾い読みしてください。
ここまで読んだ方へ|在庫管理の「次の一歩」のご案内
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
この講座では、「完璧を目指さない在庫管理」、 「現場を疲弊させない導入」、 「止まらない仕組みづくり」 を一貫してお伝えしてきました。
この講座の考え方は、アピス在庫管理システムの思想そのものです
実はこの講座でお話ししてきた考え方は、すべて 「アピス在庫管理システム」という小規模事業者向けの在庫管理システムを設計する中で生まれたものです。
- SKUや棚番を完璧に決めなくても始められる
- Excelからの段階導入を前提にできる
- 全数棚卸を強制しない(理想の一つとして扱う)
- ルールを重くせず、止まらない運用を優先する
その代わり、「小さな会社が、失敗せずに始められる」ことに本気で振り切っています。
ここまで読んで「うちも何とかしたい」と思った方へ
- 売り込みはしません(合わない場合は「やめた方がいい」とお伝えします)
- 今のやり方(Excel運用など)を否定しません
- 「導入するか迷っている」段階でも大丈夫です
👤 筆者プロフィール|DXジュン(Apice Technology 代表)
「tecn」を運営している DXジュン です。
Apice Technology株式会社の代表として、20年以上にわたり
Web制作・業務改善DX・クラウドシステム開発に携わっています。
普段は企業の現場課題に寄り添いながら、
在庫管理システム/予約システム/求人管理/受発注システム/クラウドソーシング など、
中小企業の仕事を“ラクにするツール”を作っています。
tecn では、業務改善のリアルや、Webシステムの仕組み、 そして「技術が生活をちょっと楽しくしてくれる」ような 日常×デジタルのヒントをゆるく発信しています。
現在の注力テーマは 在庫管理のDX化。 SKU・JAN・棚卸・リアルタイム連携など、 現場で役立つ情報を発信しつつ、 自社のクラウド在庫管理システムも開発・提供しています。
🔗 Apice Technology(会社HP)
🔗 tecn トップページ
🔗 在庫管理システムの機能紹介
記事があなたの仕事や生活のヒントになれば嬉しいです。 コメント・ご相談があればお気軽にどうぞ!





コメント