ピッキング 数量間違い 対策|ロット管理と棚卸の関係|在庫管理 PK08
ピッキングの数量間違いは、単なる「数え間違い」で起きているわけではありません。
実際の現場では、
・在庫数量は合っているのに、出荷内容が違う
・同じ商品なのに、期限やロットが異なる
・棚卸では合っているのに、出荷時にミスが発生する
といった問題が発生します。
その多くの原因は、
「ロット管理」と「棚卸管理」が不十分であることにあります。
在庫は単なる「数量」ではなく、
ロット・期限・入庫タイミングといった情報を含めて管理する必要があります。
ロット管理が適切に行われていないと、
・古いロットと新しいロットが混在する
・期限違いの商品を出荷してしまう
・在庫差異が発生しやすくなる
といった問題が起き、結果として数量間違いにつながります。
逆に言えば、
ロット管理と棚卸を正しく運用することで、
数量間違いは構造的に防ぐことができます。
本記事では、
・ロット混在で数量間違いが発生する仕組み
・ロット管理と棚卸の関係
・現場で実践できる改善手順
・バーコードや在庫管理システムを活用した対策
まで、在庫管理の視点からわかりやすく解説します。
数量間違いを「注意」や「経験」に頼るのではなく、
仕組みで防ぐ方法を理解していきましょう。
誤出荷・数量間違いを防ぐための具体的な仕組みと改善方法を、体系的にまとめています。
H2-1|数量間違いは「ロット混在」から発生することが多い
ピッキングの数量間違いは、
単純な数え間違いではなく、ロット混在によって発生しているケースが非常に多く見られます。
在庫管理では「同じ商品」であっても、
・入庫時期が違う
・製造時期が違う
・期限が違う
といった理由で、複数のロットが存在します。
このロットが適切に管理されていない場合、
数量間違い・誤出荷・在庫差異の原因になります。
まずは、なぜロット混在が数量間違いにつながるのかを理解することが重要です。
H3-1|同じ商品でもロットが違うと別物になる
現場では、同じ商品コードの商品はすべて同じものとして扱われがちです。
しかし、在庫管理の観点では、
**ロットが違う商品は「別の在庫」**として扱う必要があります。
例えば、
・食品や化粧品 → 消費期限が異なる
・電子部品 → 製造ロットによって品質が異なる
・アパレル → 入庫タイミングによって管理単位が異なる
といったケースです。
これらを区別せずに保管すると、
・どのロットを出荷すべきか分からなくなる
・古いロットが残り続ける
・数量の整合性が崩れる
といった問題が発生します。
ロットは単なる追加情報ではなく、
在庫を正しく管理するための重要な単位です。
H3-2|ロット混在は数量間違いと誤出荷の原因になる
ロット管理が不十分な現場では、
・同じ棚に複数ロットが混在している
・ロットの区別ができない状態で保管されている
・作業者がロットを意識せずピッキングしている
といった状況が発生します。
この状態では、
・古いロットを取り忘れる
・別のロットを誤って出荷する
・在庫数は合っているのに出荷内容が一致しない
といった問題が起きます。
結果として、
・数量間違い
・誤出荷
・在庫差異
が発生しやすくなります。
これは作業者の問題ではなく、
ロット管理の仕組みが整備されていないことが原因です。
H3-3|在庫は「数量」だけでなく「ロット単位」で管理する必要がある
数量間違いを防ぐためには、
単純に数量を管理するだけでなく、
ロット単位で在庫を管理することが重要です。
具体的には、
・ロットごとに保管場所を分ける
・入庫時にロットを記録する
・出庫時にロットを確認する
といった管理を行います。
これにより、
・正しいロットから出荷できる
・在庫差異を早期に発見できる
・数量間違いを防止できる
ようになります。
ロット管理は、数量間違いを防ぐための
基本的かつ重要な仕組みの一つです。
H2-2|ロット管理が不十分な現場で起きる典型的な問題
ロット管理が不十分な現場では、
数量間違いや誤出荷、在庫差異が慢性的に発生します。
特に問題なのは、
数量だけを見ると「在庫は合っているように見える」ため、
原因の特定が難しくなる点です。
ここでは、ロット管理が整備されていない現場で発生する、
代表的な3つの問題を整理します。
H3-1|古いロットと新しいロットが混在する
ロット管理が不十分な現場では、
同じ棚に複数のロットが混在しているケースが多く見られます。
例えば、
・古いロットの前に新しいロットを補充してしまう
・空きスペースに別ロットを追加してしまう
・ロットごとの区分が明確でない
といった状態です。
このような環境では、
・本来出荷すべきロットが分からない
・作業者が感覚で商品を選んでしまう
・ロットごとの数量が正しく把握できない
といった問題が発生します。
結果として、
数量は合っていても、
在庫の中身が不正確な状態になります。
これは、数量間違いの原因となる重要な問題です。
H3-2|期限違いの商品を誤って出荷してしまう
ロット管理が不十分な場合、
期限違いの商品を誤って出荷してしまうリスクが高まります。
例えば、
・本来は古いロットから出荷すべきなのに、新しいロットを先に出荷する
・期限の近い商品が棚の奥に残ってしまう
・期限管理が作業者の記憶に依存している
といった状況です。
この状態では、
・先入先出(FIFO)が守られない
・期限切れ在庫が発生する
・誤出荷のリスクが増加する
といった問題が発生します。
期限管理は、ロット管理と密接に関係しています。
ロット単位で管理されていない場合、
正しい出荷判断ができなくなります。
H3-3|棚卸時に数量は合うが中身が一致しない
ロット管理が不十分な現場では、
棚卸時に「数量は一致しているのに、中身が一致しない」という問題が発生します。
例えば、
・ロットAがあるはずなのにロットBしかない
・古いロットが残っていることに気づかない
・在庫の構成がシステムと一致していない
といった状況です。
数量だけを管理している場合、
在庫数は正しく見えても、
実際の在庫内容は正確ではありません。
この状態では、
・正しいロットを出荷できない
・在庫差異の原因が特定できない
・数量間違いが繰り返し発生する
といった問題が継続します。
ロット単位で在庫を管理することで、
数量と在庫内容の両方を正確に把握できるようになります。
棚番管理・注文データ・在庫差異の仕組みを整えることで、誰でも正確に作業できる環境を構築できます。
H2-3|ロット管理と棚卸は「数量間違い防止」の基盤になる
数量間違いを根本から防ぐためには、
ロット単位での在庫管理と棚卸の仕組みが不可欠です。
多くの現場では「在庫数」だけを確認していますが、
それだけでは数量間違いの原因を特定することはできません。
重要なのは、
・数量が一致しているか
・ロット構成が正しいか
の両方を確認することです。
ロット管理と棚卸を組み合わせることで、
数量間違いの原因を早期に発見し、修正できるようになります。
H3-1|棚卸でロットごとの差異を検出できる
棚卸は単に在庫数を確認する作業ではありません。
ロット管理と組み合わせることで、
・どのロットが不足しているか
・どのロットが余っているか
・どのロットが誤って出荷されたか
を正確に把握できるようになります。
例えば、
システム上
ロットA:50個
ロットB:50個
実在庫
ロットA:30個
ロットB:70個
という状態では、
合計数量は100個で一致していますが、
ロット構成は一致していません。
この状態では、
・正しいロット出荷ができない
・期限管理が崩れる
・数量間違いが繰り返し発生する
といった問題が発生します。
ロット単位で棚卸を行うことで、
数量間違いの根本原因を特定できるようになります。
H3-2|循環棚卸でロット差異を早期修正できる
すべての在庫を一度に棚卸することは、
多くの現場で負担が大きくなります。
そこで有効なのが、循環棚卸(サイクルカウント)です。
循環棚卸とは、
・対象商品を限定して
・定期的に棚卸を行い
・差異を早期に修正する
方法です。
これにより、
・ロット混在を早期に発見できる
・数量差異の拡大を防げる
・在庫精度を継続的に維持できる
ようになります。
差異は放置するほど修正が困難になります。
小さな差異のうちに修正することが重要です。
H3-3|ロット単位で管理することでピッキング精度が向上する
ロット単位で在庫管理を行うことで、
ピッキング作業の精度は大幅に向上します。
具体的には、
・出荷対象ロットが明確になる
・作業者の判断が不要になる
・誤ったロット出荷を防げる
ようになります。
結果として、
・数量間違いの減少
・誤出荷の防止
・在庫精度の向上
が実現できます。
ロット管理は単なる管理強化ではなく、
ピッキング精度を高めるための重要な仕組みです。
H2-4|ロット混在を防ぐための実践手順(現場で効果が高い順)
ロット混在は、数量間違い・誤出荷・在庫差異の原因になります。
しかし、特別なシステムがなくても、運用を整えることで防ぐことは可能です。
重要なのは、
・どこに保管するか
・いつロットを記録するか
・出庫時にどう確認するか
の3点を明確にすることです。
ここでは、現場で効果の高い順に実践手順を解説します。
H3-1|棚番とロットを紐づけて保管する
ロット混在を防ぐために最も効果的なのは、
棚番(ロケーション)とロットを紐づけて保管することです。
例えば、
棚A-01 → ロット202401
棚A-02 → ロット202402
というように、ロットごとに保管場所を分けます。
これにより、
・ロットの混在を防げる
・ピッキング時の判断が不要になる
・誤ったロット出荷を防止できる
ようになります。
同じ棚に複数ロットを混在させると、
作業者が判断を求められるため、
数量間違いや誤出荷が発生しやすくなります。
棚番とロットを紐づけることで、
作業者が迷わず正しいロットを取得できる環境を作ることが重要です。
H3-2|入庫時にロット単位で登録する
ロット管理は、入庫時の処理が最も重要です。
入庫時にロットを登録していない場合、
・どのロットがどこにあるか分からない
・ロット混在が発生する
・在庫差異の原因になる
といった問題が発生します。
入庫時には、
・ロット番号
・数量
・保管棚番
をセットで登録します。
この処理を行うことで、
在庫の構成が明確になり、
数量間違いの発生を防ぐことができます。
ロット管理は、出庫時ではなく、
入庫時から始まっています。
H3-3|出庫時にロット確認工程を設ける
ロット混在を防ぐためには、
出庫時にもロット確認を行う必要があります。
具体的には、
・ピッキング時にロットを確認する
・仕分け時にロットを確認する
・出荷前にロットを確認する
といった工程を設けます。
この確認工程により、
・誤ったロット出荷を防げる
・数量間違いを防止できる
・在庫精度を維持できる
ようになります。
確認工程がない場合、
作業者の感覚に依存した運用となり、
数量間違いが発生しやすくなります。
ロット確認は、数量確認と同様に、
出庫工程の重要な要素です。
ロット混在を防ぐための在庫管理の基本
- ピッキング ミス 対策|棚番管理で誤出荷を減らす方法(PK04)
→ 棚番(ロケーション)を整備することで、ロット混在や誤出荷を防ぐ方法を解説しています。 - ピッキング 数量間違い 対策|注文データ処理の改善方法(PK05)
→ 注文データと棚番を連携することで、ロット管理と数量間違い防止を同時に実現できます。
誤出荷・数量間違いを防ぐための具体的な仕組みと改善方法を、体系的にまとめています。
H2-5|ロット管理とトータルピッキングを組み合わせるとミスはさらに減る
ロット管理だけでも数量間違いは減らせますが、
トータルピッキングと組み合わせることで、さらに高い精度を実現できます。
トータルピッキングは、
・同じ商品をまとめて取得する
・仕分け工程で注文ごとに分ける
という方式のため、ロット単位での管理と非常に相性が良い作業方式です。
ロット管理とトータルピッキングを組み合わせることで、
・数量間違い
・ロット間違い
・期限違い出荷
を同時に防ぐことが可能になります。
H3-1|ロット単位でまとめてピッキングできる
トータルピッキングでは、同じ商品をまとめて取得します。
このとき、ロット単位でピッキングを行うことで、
・正しいロットをまとめて取得できる
・数量確認が容易になる
・ロット混在を防げる
ようになります。
例えば、
商品A
ロット202401 → 20個必要
という場合、
棚A-01(ロット202401)から
まとめて20個取得すればよく、
注文ごとにロットを確認する必要がありません。
個別ピッキングでは、
注文ごとにロット確認が必要になるため、
判断回数が増え、ミスが発生しやすくなります。
トータルピッキングは、
ロット管理の精度を最大限に活かせる作業方式です。
H3-2|仕分け工程でロット確認ができる
トータルピッキングでは、
取得後に仕分け工程が存在します。
この仕分け工程は、ロット確認の重要なポイントになります。
仕分け時に、
・商品
・数量
・ロット
を確認することで、
ピッキング時のミスを検出できます。
これは、
・一次確認 → ピッキング
・二次確認 → 仕分け
という二重確認の構造になります。
個別ピッキングでは、この仕分け工程がないため、
ミスがそのまま出荷につながるリスクがあります。
トータルピッキングは、
確認工程を増やさずに精度を向上できる方式です。
H3-3|数量間違いと期限違い出荷を同時に防げる
ロット管理とトータルピッキングを組み合わせることで、
・数量間違い
・ロット間違い
・期限違い出荷
を同時に防ぐことができます。
理由は、
・ロット単位で取得するため数量確認が容易
・仕分け工程でロット確認ができる
・棚番とロットが紐づいているため判断が不要
だからです。
これにより、
作業者の経験や注意力に依存しない、
安定した出荷精度を実現できます。
数量間違い対策は、
作業者に注意を求めるのではなく、
作業方式と管理構造を整備することが重要です。
H2-6|バーコード管理でロット確認は自動化できる
ロット管理は数量間違い防止に非常に有効ですが、
目視確認だけでは限界があります。
似た商品や複数ロットが混在する現場では、
・ロット番号の見間違い
・確認漏れ
・確認したつもりによる誤出荷
が発生しやすくなります。
この問題を根本から解決する方法が、バーコード管理です。
バーコードを活用することで、
・正しい商品
・正しいロット
・正しい数量
を機械的に確認できるようになり、
ロット確認を“作業者の注意力”から“仕組み”へと移行できます。
H3-1|目視によるロット確認には限界がある
多くの現場では、ロット番号を目視で確認しています。
しかし、目視確認は以下の理由で不安定になります。
・ロット番号が小さく見づらい
・似たロット番号が存在する(例:202401 と 202402)
・作業スピードが上がると確認が省略される
・作業者の経験に依存する
特に出荷量が多い時間帯では、
「確認したつもり」
によるミスが発生しやすくなります。
これは作業者の能力の問題ではなく、
人間の目視確認そのものの限界です。
H3-2|バーコードでロットと数量を同時に確認できる
バーコード管理を導入すると、
・商品
・ロット
・数量
をスキャンで正確に確認できます。
例えば、
棚から商品を取得し、バーコードをスキャンすると、
・商品が正しいか
・ロットが正しいか
・数量が合っているか
を即座に確認できます。
これにより、
・ロット間違い
・数量間違い
・誤出荷
を構造的に防ぐことができます。
バーコードは、
「確認」という曖昧な作業を「一致判定」という明確な処理に変える仕組みです。
H3-3|小規模でも導入可能な現実的な方法
バーコード管理は、大規模なシステムが必要と思われがちですが、
小規模現場でも十分に導入可能です。
現実的な導入手順は以下の通りです。
STEP 1|対象商品を限定する
まずは出荷頻度の高い商品から導入します。
STEP 2|棚と商品にバーコードを付ける
棚番と商品にバーコードを付与します。
STEP 3|出荷前確認でスキャンする
出荷前にスキャン確認を行うだけでも、
ミスは大幅に減少します。
すべてを一度に変える必要はありません。
一部の商品から始めることで、
無理なくバーコード管理へ移行できます。
誤出荷・数量間違いを防ぐための具体的な仕組みと改善方法を、体系的にまとめています。
(CTAボックス設置)
H2-7|在庫管理システムでロット管理は安定運用できる(CV誘導)
ロット管理は、数量間違いと誤出荷を防ぐ非常に有効な方法ですが、
Excel運用では限界があります。
ロットは「数量」だけでなく、
・棚番
・入庫タイミング
・出荷順序
・期限
と密接に関係しているため、
複数の情報を同時に正確に管理する必要があります。
この問題を安定して解決できるのが、在庫管理システムです。
H3-1|Excelではロット管理に限界がある
Excelでロット管理を行う場合、以下の問題が発生しやすくなります。
・ロットごとの在庫がリアルタイムで分からない
・入出庫時の更新漏れが発生する
・複数人運用で整合性が崩れる
・古いロットが残っていることに気づけない
Excelは「一覧を見る」ことは得意ですが、
「正しいロットを自動的に判断する」
ことはできません。
そのため、
・誤ったロットを出荷する
・数量は合っているがロットが違う
といった問題が発生します。
H3-2|ロット・棚番・在庫が連携すると数量間違いが減る
在庫管理システムでは、
・商品
・棚番
・ロット
・数量
がすべて紐づいて管理されます。
これにより、
・どの棚に
・どのロットが
・いくつ存在するか
を正確に把握できます。
その結果、
・ロット間違い
・数量間違い
・誤出荷
を構造的に防ぐことができます。
作業者は判断する必要がなくなり、
指示通りに作業するだけで正しい出荷が可能になります。
H3-3|小規模から始めるロット管理の現実解
在庫管理システムは、大規模倉庫だけのものではありません。
小規模現場でも、
・対象商品を限定して導入
・バーコードと併用
・棚番管理と組み合わせる
ことで、十分に効果を発揮します。
重要なのは、
すべてを一度に変えるのではなく、
「ミスが発生しやすい部分」から仕組み化することです。
段階的に導入することで、
無理なく安定したロット管理を実現できます。
ロット管理・数量間違いを「仕組み」で防ぎたい方へ
Excelによるロット管理では、 更新漏れや確認ミスを完全に防ぐことは困難です。
在庫管理システムを導入することで、
- ロットごとの正確な在庫管理
- 棚番と連携した正確なピッキング
- 数量間違い・誤出荷の防止
- 作業の属人化解消
を無理なく実現できます。
H2-8|関連記事|数量間違い対策を体系的に理解する
ロット管理は、数量間違い対策の重要な要素の一つです。
しかし、ロット管理だけでなく、
・注文データの整備
・棚番設計
・作業方式の見直し
・在庫差異の修正
・バーコード運用
を組み合わせることで、
数量間違いは大幅に減らすことができます。
以下の記事を順番に読むことで、
数量間違い対策を体系的に理解できます。
ピッキングミスを根本から解決したい方へ
ピッキングミスは作業者の問題ではなく、在庫管理の仕組みで改善できます。
アピス在庫管理システムでは、誤出荷・数量間違いを防ぐ仕組みを構築できます。





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