ロット管理とは?在庫管理で使用期限を正しく管理する基本
|使用期限管理・FEFOの考え方
在庫管理の現場では、
「同じ商品なのに使用期限が違う」「古い在庫が残ってしまう」
といった悩みがよくあります。
こうした課題を解決するために必要なのが、
ロット管理 という考え方です。
ロット管理とは、
商品を「使用期限」や「入荷時期」といった単位で分けて管理し、
期限の近いものから正しく使っていくための仕組みです。
とくに使用期限のある商品では、
ロット管理ができているかどうかで
廃棄ロスや在庫ミスの発生率が大きく変わります。
とはいえ、
ロット管理や使用期限管理は
「難しそう」「システムが複雑になりそう」
と感じられがちです。
アピス在庫管理システムでは、
ロット番号=使用期限 というシンプルな設計を採用し、
小規模事業者や中小企業でも
すぐに使える・迷わず運用できる 形に仕上げています。
必要な商品だけをロット管理対象にし、
棚番と紐づけて管理することで、
現場の作業を増やさずに
使用期限管理・期限順出庫(FEFO)を実現できます。
本記事では、
ロット管理の基本的な考え方から、
使用期限のある商品の在庫管理を
できるだけやさしく・実務目線で 解説していきます。
ロット管理とは何か
ロット管理とは、
同じ商品でも「使用期限・製造日・入荷時期」などが同じまとまり(=ロット)ごとに在庫を管理する方法です。
たとえば、同じ商品でも
- 使用期限が違う
- 入荷したタイミングが違う
といった場合、それらを 別のロット として扱います。
なぜロット管理が必要なのか
在庫管理では、次のような課題がよく発生します。
- 使用期限切れによる廃棄ロス
- 古い在庫が残り、新しい在庫から使ってしまう
- 棚卸で「どれを数えているのか分からない」
ロット管理を行うことで、
- 使用期限ごとに在庫を把握できる
- 期限の近いものから出庫(FEFO)ができる
- 棚卸や確認作業が分かりやすくなる
といった効果があります。
アピス在庫管理におけるロット管理の考え方
アピス在庫管理では、すべての商品をロット管理するわけではありません。
商品マスターで管理方法を切り替える
商品マスターには
「ロット管理フラグ」 を持たせます。
- ロット管理しない商品
→ 従来どおり、SKU単位で数量管理 - ロット管理する商品
→ 商品番号(SKU)+ロット番号 で管理
これにより、
必要な商品だけをロット管理でき、運用が複雑になりません。
ロット番号=使用期限というシンプルな設計
管理をできるだけ簡単にするため、
ロット番号は原則として「使用期限」 を使います。
例:
- 商品番号:ABC-001
- ロット番号:20260331(=使用期限 2026年3月31日)
- 棚番:A-01
- 数量:50
このように、
商品番号+使用期限(ロット番号)=1つの在庫まとまり
として管理します。
棚番とロットは1対1で管理
ロット管理対象の商品は、
- 1つのロット(使用期限)
- 1つの棚番
を 1対1 で対応させて管理します。
これにより、
- 棚卸時に迷わない
- ピッキング時に取り違えない
- 期限違いの混在を防げる
といったメリットがあります。
入庫・出庫の考え方
入庫時
- 商品番号を選択
- 使用期限(=ロット番号)を入力
- 数量と棚番を指定
→ ロット在庫として登録
出庫時
- 商品番号(SKU)だけを指定
- システムが 使用期限の近いロットから自動で引き当て(FEFO)
現場でロットを選ばせないため、
ミスが起きにくくなります。
単品管理もロット管理の一種
高額商品や個体管理が必要な場合は、
- ロット番号=シリアル番号
- 数量=1
として扱います。
つまり、
単品管理=数量1のロット管理
という考え方です。
仕組みを分けず、同じロット管理の枠組みで対応できます。
ロット管理のまとめ
- ロット管理とは「期限や入荷単位ごとに在庫を管理する方法」
- 商品マスターでロット管理対象かどうかを切り替える
- ロット番号は原則として使用期限を使う
- 棚番とロットは1対1で管理
- 出庫は期限の近い順(FEFO)
- 単品管理もロット管理の一形態として扱える
最後に
ロット管理は難しそうに見えますが、
「商品+使用期限で在庫を分ける」 と考えると、とてもシンプルです。
アピス在庫管理では、
必要な商品だけを、必要な粒度で管理する ことで、
- 現場に負担をかけず
- 廃棄ロスを減らし
- 補助金申請にも強い
実用的なロット管理を実現します。
使用期限アラートとは?
使用期限アラートとは、
在庫商品の使用期限が近づいたことを事前に知らせる仕組みです。
ロット管理を行っていても、
- 期限が近いことに気づけない
- 棚卸や出庫のタイミングを逃す
- 気づいたときには期限切れ
というケースは少なくありません。
使用期限アラートを設定することで、
- 「期限○日前」の商品を自動で把握
- 優先的な出庫・値引き・廃棄判断が可能
- 使用期限切れによるロスを未然に防止
といった効果が得られます。
アピス在庫管理では、
ロット番号=使用期限 の設計を採用しているため、
ロット情報をもとにシンプルな期限判定が可能です。
難しい設定を行わなくても、
「そろそろ注意が必要な在庫」を可視化できるのが特長です。
FEFO(期限順出庫)とは?
**FEFO(First Expired, First Out)**とは、
使用期限が早い在庫から先に出庫する という在庫管理の考え方です。
食品・医薬品・消耗品など、
使用期限が重要な商品では特に重要なルールです。
ロット管理を行っていない場合、
- 新しい在庫から使ってしまう
- 古い在庫が棚に残り続ける
- 結果として期限切れが発生する
といった問題が起こりがちです。
FEFOを取り入れることで、
- 使用期限の近いロットから自動的に引き当て
- 出庫時に人が判断しなくて済む
- 現場での取り違えやミスを防止
といったメリットがあります。
アピス在庫管理では、
出庫時は 商品番号(SKU)を指定するだけ で、
内部的に使用期限の近いロットから順に出庫される仕組みを想定しています。
現場でロット番号を選ばせないことで、
作業をシンプルにしながら、期限管理の精度を高める ことができます。
ロット管理・使用期限管理・FEFOはセットで考える
ロット管理は単体でも効果がありますが、
- ロット管理
- 使用期限アラート
- FEFO(期限順出庫)
を組み合わせることで、
在庫管理は「記録するだけ」から
ロスを防ぐ仕組み へと進化します。
中小企業・零細企業でも無理なく運用できるよう、
アピス在庫管理では
できるだけシンプルな設計 を重視しています。
ロット管理が向いている商品例
ロット管理はすべての商品に必要なわけではありません。
使用期限や個体差がある商品 に絞って導入することで、
在庫管理をシンプルに保ちながら効果を最大化できます。
使用期限がある商品
ロット管理が最も効果を発揮するのが、
使用期限や賞味期限が設定されている商品 です。
- 食品・飲料
- 医薬品・サプリメント
- 化粧品・日用品
- 洗剤・薬剤・消耗品
使用期限ごとにロットを分けて管理することで、
- 期限切れの見落とし防止
- FEFO(期限順出庫)の自動化
- 廃棄ロスの削減
が可能になります。
入荷時期や製造ロットが異なる商品
同じ商品でも、
入荷時期や製造ロットが異なるもの は
ロット管理に向いています。
- 部品・材料
- 製造業の仕掛品・消耗部材
- パッケージ違いの同一商品
ロットごとに在庫を把握することで、
- 不具合発生時の影響範囲特定
- トレーサビリティの確保
につながります。
高額商品・管理ミスが許されない商品
数量は多くなくても、
管理ミスが大きな損失につながる商品 は
ロット管理が有効です。
- 精密機器
- 高額部品
- レンタル品・貸出機材
これらは、
- 単品管理(数量1のロット)
- シリアル番号をロット番号として管理
することで、
ロット管理の仕組みをそのまま活用できます。
棚番ごとに管理したい商品
ロット管理では
棚番とロットを1対1で管理 するため、
- どこに何があるか
- どの期限の商品か
が一目で分かります。
そのため、
- 倉庫・バックヤード
- 店舗在庫
- 小規模倉庫
といった 現場作業が中心の環境 ほど効果が出やすくなります。
ロット管理が不要な商品もある
一方で、次のような商品は
無理にロット管理を行う必要はありません。
- 使用期限がない商品
- 低単価・大量消費品
- SKU単位で十分に管理できる商品
アピス在庫管理では、
商品ごとにロット管理フラグを設定 できるため、
必要な商品だけをロット管理対象にできます。
まとめ|ロット管理は「全部やらない」が正解
ロット管理は、
- 使用期限がある商品
- 管理ミスが許されない商品
に限定して導入することで、
在庫管理を複雑にせず、効果だけを得ることができます。
「全部を厳密に管理する」のではなく、
必要なところだけをロット管理する
それが中小企業・零細企業にとって現実的な選択です。
👤 筆者プロフィール|DXジュン(Apice Technology 代表)
「tecn」を運営している DXジュン です。
Apice Technology株式会社の代表として、20年以上にわたり
Web制作・業務改善DX・クラウドシステム開発に携わっています。
普段は企業の現場課題に寄り添いながら、
在庫管理システム/予約システム/求人管理/受発注システム/クラウドソーシング など、
中小企業の仕事を“ラクにするツール”を作っています。
tecn では、業務改善のリアルや、Webシステムの仕組み、 そして「技術が生活をちょっと楽しくしてくれる」ような 日常×デジタルのヒントをゆるく発信しています。
現在の注力テーマは 在庫管理のDX化。 SKU・JAN・棚卸・リアルタイム連携など、 現場で役立つ情報を発信しつつ、 自社のクラウド在庫管理システムも開発・提供しています。
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