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経済的発注量(EOQ)とは?計算式と考え方を在庫管理の現場目線で解説

2026 1/11
業務効率化 在庫管理 未分類
2026年1月10日2026年1月11日
目次

経済的発注量(EOQ)とは?計算式と考え方を在庫管理の現場目線で解説

在庫を切らしたくないから多めに発注する。
でも在庫を持ちすぎると、保管コストや廃棄リスクが増えてしまう。

このジレンマを数式で整理し、
「最もムダの少ない発注量」を導き出す考え方が
**経済的発注量(EOQ:Economic Order Quantity)**です。

EOQは、在庫管理の教科書や資格試験ではよく登場しますが、
現場では
「理論だけで終わっている」
「実務では使えない」
と感じられがちな概念でもあります。

本記事では、

  • 経済的発注量(EOQ)とは何か
  • 計算式の意味と考え方
  • なぜ現場でズレが起きやすいのか

を、在庫管理の実務目線で整理します。

数式が苦手な方でも、
「なぜこの考え方が在庫管理に必要なのか」
が理解できるように解説していきます。

H2-1|経済的発注量(EOQ)とは何か

  • H3|EOQの基本的な意味
  • H3|なぜ「経済的」な発注量が必要なのか

H2-1|経済的発注量(EOQ)とは何か

EOQで悩みを持つあなた! 在庫管理でお悩みならば下記記事もお読みください。

ポイント
在庫管理の問題は「やり方」だけで解決できるものではありません。
SKU・JAN・在庫数・Excel管理などはすべて、在庫管理という仕組みの一部にすぎません。
個別対策を積み重ねる前に、まずは全体の考え方と構造を整理することが重要です。

👉 在庫管理の全体像と考え方を整理する

在庫管理では、
「いつ・どれだけ発注するか」が業務コストを大きく左右します。

発注回数を増やせば手間や事務コストがかかり、
まとめて発注すれば在庫が増えて保管コストや劣化リスクが高まる。

この相反するコストのバランスを数式で整理し、
最も合理的な発注量を導き出そうとする考え方が
経済的発注量(EOQ:Economic Order Quantity) です。


H3|EOQの基本的な意味

EOQとは、簡単に言えば

発注コストと在庫保管コストの合計が最小になる発注量

を意味します。

在庫管理にかかる代表的なコストは、大きく次の2つです。

  • 発注するたびに発生するコスト
    (事務作業、発注処理、人件費など)
  • 在庫を持つことで発生するコスト
    (保管スペース、管理工数、劣化・廃棄リスクなど)

EOQは、この2つのコストを同時に考え、

「発注回数を減らしすぎてもダメ」
「在庫を持ちすぎてもダメ」

という状態の中で、
もっともムダが少なくなる発注量はどこか
を理論的に示します。

そのためEOQは、
在庫管理の教科書や試験でよく扱われる一方、
現場では「理屈としては分かるが、使いづらい」と感じられることも多い概念です。


H3|なぜ「経済的」な発注量が必要なのか

実務の現場では、次のような判断がよく行われがちです。

  • 忙しいから、まとめて多めに発注する
  • 在庫切れが怖いので、余裕を持って発注する
  • 過去の経験や感覚で発注量を決めている

これらの判断自体が間違いとは限りませんが、
なぜその量なのかを説明できないという問題があります。

EOQの考え方を使うと、

  • 発注量が多すぎるのか
  • 発注回数が多すぎるのか
  • どこにムダが発生しているのか

を、感覚ではなく構造として整理できます。

つまりEOQは、

  • 「この発注量が正しい」と決め打ちするためのもの
    ではなく
  • 発注量を見直すための基準点

として使う考え方です。

在庫管理を属人化させず、
業務として説明可能な形にしていくためにも、
「経済的」という視点を持つことは重要になります。


H2-2|EOQが使われる在庫管理の場面

  • H3|発注回数が多すぎる場合の問題
  • H3|まとめ買いしすぎる場合の問題

👉 在庫コストの話をここで軽く入れる

H2-2|EOQが使われる在庫管理の場面

在庫分析に関して関連記事

在庫のABC分析とは?A・B・Cランクの違いと実践方法をわかりやすく解説
XYZ分析で見える“動かない在庫”の正体

経済的発注量(EOQ)は、
特別な業界や大企業だけの理論ではありません。

日々の在庫管理業務の中で、

  • 発注のたびに手間がかかっている
  • 在庫を持ちすぎて管理が煩雑になっている

といった場面では、
EOQの考え方が役立ちます。

ここでは、EOQが必要とされる代表的な2つのケースを見ていきます。


H3|発注回数が多すぎる場合の問題

在庫をできるだけ持たないようにしようとすると、
発注回数が増えがちになります。

一見すると、
「在庫が少ない=効率的」
に見えますが、発注回数が増えることで次のような問題が起こります。

  • 発注処理や確認作業の回数が増える
  • 事務作業や入力ミスが発生しやすくなる
  • 担当者の負担が大きくなる

これらはすべて、
発注するたびに発生するコストです。

1回あたりのコストは小さく見えても、
回数が増えれば、業務全体では無視できない負担になります。

EOQは、
「発注回数を減らすことで、どこまでコストが下がるのか」
を考えるための基準を与えてくれます。


H3|まとめ買いしすぎる場合の問題

反対に、
発注回数を減らそうとして、
一度に大量発注してしまうケースもよくあります。

しかし、まとめ買いには別の問題があります。

  • 保管スペースが必要になる
  • 在庫管理や棚卸の負担が増える
  • 劣化・破損・陳腐化のリスクが高まる

これらは、
在庫を持つことで発生するコストです。

在庫が増えれば増えるほど、
管理の手間やリスクも比例して大きくなります。

EOQは、
「在庫を持ちすぎることで発生するコスト」
にも目を向けさせる考え方です。


在庫コストをどう考えるか(軽く理解する)

EOQでは、在庫管理にかかるコストを大きく次の2つに分けて考えます。

  • 発注コスト:
    発注作業・事務処理・確認など、発注ごとに発生するコスト
  • 在庫保管コスト:
    保管スペース、管理工数、劣化や廃棄のリスクなど

EOQが示すのは、

この2つのコストの合計が最小になる発注量

です。

ここで重要なのは、
「どちらかをゼロにする」ことではなく、
バランスを取るという考え方です。

この視点を持つことで、
感覚や慣習に頼った発注から一歩抜け出し、
在庫管理を仕組みとして考えやすくなります。


H2-3|経済的発注量(EOQ)の計算式

  • H3|EOQの基本計算式
  • H3|計算式に出てくる項目の意味(需要量・発注費・保管費)

👉 次の記事②への自然な内部リンク導線

H2-3|経済的発注量(EOQ)の計算式

在庫分析・指標関連記事
在庫KPIとは?中小企業が見るべき主要指標と改善アクション
在庫回転率とは?業績を左右する重要指標の計算方法と改善ポイント

経済的発注量(EOQ)は、
「考え方」だけでなく、計算式として表すことができる点が特徴です。

ただし、ここで大切なのは
数式を暗記することではありません。

まずは
「どんな要素を使って発注量を考えているのか」
を押さえることが重要です。


H3|EOQの基本計算式

EOQは、一般的に次の計算式で表されます。

EOQ = √( 2 × 需要量 × 発注費 ÷ 保管費 )

初めて見ると難しそうに感じるかもしれませんが、
在庫管理の実務を数字で整理しただけの式です。

この計算式は、

  • 発注にかかるコスト
  • 在庫を持つことで発生するコスト

のバランスが取れる発注量を求めるためのものです。


H3|計算式に出てくる項目の意味

(需要量・発注費・保管費)

EOQの計算式には、主に3つの要素が出てきます。

需要量

一定期間(多くは1年)に、
どれくらいの商品が使われるか、販売されるかを示す数値です。

  • 年間販売数
  • 年間使用数

などが該当します。

需要量は、
EOQを考えるうえでの前提条件になります。


発注費

発注を1回行うごとに発生するコストです。

例えば、

  • 発注処理の事務作業
  • システム入力
  • 確認・承認の手間

などが含まれます。

金額として見えにくい場合も多いですが、
EOQでは 「1回の発注にどれくらいの手間がかかっているか」
を数値化して考えます。


保管費

在庫を持つことで発生するコストです。

代表的なものとしては、

  • 保管スペースのコスト
  • 管理・棚卸の工数
  • 劣化・廃棄のリスク

などがあります。

在庫が増えれば増えるほど、
この保管費は大きくなっていきます。


計算式は「考え方を整理する道具」

EOQの計算式は、

正確な答えを出すためのもの

というよりも、

発注量を見直すための基準を作るためのもの

と考えた方が、実務では使いやすくなります。

実際の現場では、

  • 需要が一定でない
  • 保管費を正確に出せない

といったケースも多く、
計算式どおりにいかないことも少なくありません。

それでもEOQを理解しておくことで、

  • なぜ今の発注量なのか
  • どこにムダが生まれやすいのか

を整理しやすくなります。


計算をもう少し詳しく知りたい方へ

ここでは考え方を中心に解説しましたが、

  • 計算式を図で見たい
  • 実際の数字を当てはめて確認したい

という場合は、
EOQの計算式を詳しく解説した別記事で
一つひとつ整理しています。


H2-4|EOQは実務でどう使う?(机上の空論になりやすい理由)

  • H3|前提条件が合わないと失敗するケース
  • H3|実際の在庫管理でよくあるズレ

👉 中小企業視点を強調

H2-4|EOQは実務でどう使う?(机上の空論になりやすい理由)

在庫のABC分析とは?A・B・Cランクの違いと実践方法をわかりやすく解説
XYZ分析で見える“動かない在庫”の正体

EOQ(経済的発注量)は、
在庫管理を学ぶと必ず登場する考え方です。

一方で現場では、

  • 「計算したけど結局使っていない」
  • 「理論通りにいかない」

と感じている方も多いのではないでしょうか。

これは EOQが間違っているからではなく、
前提条件と現場が噛み合っていない
ことが原因です。


H3|前提条件が合わないと失敗するケース

EOQの計算には、いくつかの前提条件があります。

代表的なものは次の通りです。

  • 需要がほぼ一定である
  • 発注費・保管費を一定として扱える
  • 欠品が起きない前提
  • 単価や仕入条件が変わらない

しかし、中小企業の在庫管理では
これらの条件が揃うケースは多くありません。

例えば、

  • 月ごとに売れ行きが大きく変わる
  • 仕入先の都合でロットが固定されている
  • 急な追加発注が頻発する

といった状況では、
EOQをそのまま当てはめるとズレが生じます。


H3|実際の在庫管理でよくあるズレ(中小企業視点)

中小企業の現場で特に多いのが、次のようなズレです。

発注量は計算できても、守れない

EOQで算出した発注量が、

  • 倉庫スペース的に置けない
  • 資金繰り的に厳しい

といった理由で、
現実的でない数値になることがあります。


需要が安定していない

季節商品・キャンペーン商品などでは、

  • 過去データがそのまま使えない
  • 需要予測がブレやすい

ため、EOQの前提が崩れやすくなります。


発注費・保管費が曖昧

中小企業では、

  • 発注にかかる人件費を把握していない
  • 保管コストをざっくり感覚で判断している

ケースも少なくありません。

この状態でEOQを計算しても、
「それっぽい数字」は出ますが、
判断材料としては弱くなります。


EOQは「答え」ではなく「判断軸」

ここまで読むと、

EOQは使えない理論なのでは?

と感じるかもしれません。

しかし実際には、
EOQは 発注量を決めるための絶対解 ではなく、

考え方を整理するための判断軸

として使うのが現実的です。

  • 発注回数が多すぎないか
  • 在庫を持ちすぎていないか

を見直すための
基準値・目安 として活用することで、
現場改善につながりやすくなります。


中小企業こそ「割り切った使い方」が有効

中小企業の在庫管理では、

  • 完璧な計算
  • 理論通りの運用

を目指す必要はありません。

EOQを使って、

  • 今の発注量は多いのか少ないのか
  • 在庫コストが膨らみやすい構造か

を整理できれば十分です。

この「考え方」を持つだけでも、
属人化した発注判断から一歩抜け出すことができます。


H2-5|【在庫管理視点】EOQは「設計」の一部にすぎない

  • H3|EOQだけでは在庫は最適化できない理由
  • H3|発注点・安全在庫と合わせて考える重要性

👉
ここに
正統派在庫管理クラスターへの意味づけリンク(ブログパーツ)

H2-5|【在庫管理視点】EOQは「設計」の一部にすぎない

EOQ(経済的発注量)は、 在庫管理を考えるための「一つの指標」にすぎません。

実務では、発注点・安全在庫・需要変動まで含めて、 在庫管理を「仕組み」として設計する視点が重要になります。

▶ 在庫管理を「感覚」から「仕組み」に変える考え方はこちら

EOQ(経済的発注量)は、
在庫管理を考えるうえで重要な考え方のひとつです。

ただし、在庫管理の現場では
EOQだけで最適化が完結することはほぼありません。

なぜなら、EOQは
「発注量」に特化した理論であり、
在庫管理全体の ごく一部の設計要素 にすぎないからです。


H3|EOQだけでは在庫は最適化できない理由

EOQが扱うのは、

  • どれくらいの数量を
  • どのタイミングでまとめて発注するか

という 量の最適化 です。

しかし、実際の在庫管理では、

  • いつ発注するか
  • 欠品をどこまで許容するか
  • 需要変動にどう備えるか

といった判断も同時に求められます。

EOQはこれらを前提条件として「固定」したうえで
成り立つモデルのため、
単体で使うとどうしても限界が出てきます。


H3|発注点・安全在庫と合わせて考える重要性

在庫管理を実務で機能させるには、

  • 発注量(EOQ)
  • 発注点
  • 安全在庫

をセットで考えることが欠かせません。

たとえば、

  • EOQで「適正な発注量」を決め
  • 発注点で「いつ発注するか」を管理し
  • 安全在庫で「不測の事態に備える」

という形で役割を分けて設計することで、
はじめて在庫管理が安定します。

EOQは「万能な答え」ではなく、
在庫管理を設計するための部品のひとつ と捉えるのが現実的です。

👤 筆者プロフィール|DXジュン(Apice Technology 代表)

「tecn」を運営している DXジュン です。
Apice Technology株式会社の代表として、20年以上にわたり Web制作・業務改善DX・クラウドシステム開発に携わっています。

普段は企業の現場課題に寄り添いながら、
在庫管理システム/予約システム/求人管理/受発注システム/クラウドソーシング など、 中小企業の仕事を“ラクにするツール”を作っています。

tecn では、業務改善のリアルや、Webシステムの仕組み、 そして「技術が生活をちょっと楽しくしてくれる」ような 日常×デジタルのヒントをゆるく発信しています。

現在の注力テーマは 在庫管理のDX化。 SKU・JAN・棚卸・リアルタイム連携など、 現場で役立つ情報を発信しつつ、 自社のクラウド在庫管理システムも開発・提供しています。

🔗 Apice Technology(会社HP)
🔗 tecn トップページ
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この記事を書いた人

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「tecn」を運営している  DXジュン です。
Apice Technology株式会社の代表として、20年以上にわたり
Web制作・業務改善DX・クラウドシステム開発に携わっています。

普段は企業の現場課題に寄り添いながら、
在庫管理システム/予約システム/求人管理/受発注システム/クラウドソーシングなど、
中小企業の仕事を“ラクにするツール”を作っています。
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